少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

900 1ミリ

NHKのプロフェッショナルを途中から見た。1/21に73歳で膵臓がんで亡くなられたデザイナーの石岡瑛子さんの物語だった。
正直、石岡さんのことは存じていなかったが、作品を見れば、資生堂やパルコ、角川文庫と、どれも一度はお目にかかったことのある有名な作品ばかりで誰しもが、あああれかあ・・・とご納得する。
40歳からニューヨークに渡り、映画やブロードウエイミュージカルの衣装や舞台のデザインに挑戦する。僕も都合2年半ほどニューヨークに居たのでどこかですれ違っているかも知れない。
その中で、舞台衣装において、彼女は、わずか1ミリの修正にこだわる。
マネジャーが嫌味を込めて言う。いかにもアメリカ人らしいが・・・。
「瑛子の修正は細かすぎて時間と人件費がかかり過ぎて予算がオーバーしてしまうわ」
「あなたは、いつもお金のことばかり言うのね」瑛子がやり返す。
スタッフが聞く。「1ミリにこだわる理由は?客席から違いがわかりますか?」
「1ミリの違いをわからない人には、すべてがわからない」と瑛子が答える。高度な問答である。
かつて僕も同じような質問をぶつけたことがある。
「それは本当ですか?」という質問だ。
阪急ブレーブス時代の松永浩美は「投手がワインドアップのモーションで振りかぶった時、アンダーシャツとグローブの隙間から見える投手の手首の内側の筋の動きで球種がわかる」と言った。
中日ドラゴンズ時代の牛島和彦は「打者のタイミングをずらすために、打者がまばたきした瞬間を狙って、投球モーションに入る」と言った。
ロッテオリオンズ時代の西村徳文は一塁ベース上で「右目で投手の肩を見て、左目で捕手のマスクの中の眼の動きを見て、スタートを切る」と言った。
中日ドラゴンズ時代の木俣達彦捕手は「長嶋さんは、打席で構えたとき、右目で一瞬、照明でできる捕手の影の位置を確認して内角か外角かのヤマを張る。だからその逆をつくよう、自分の影の角度を研究した」と言った。
ロッテオリオンズ時代の村田兆冶はマサカリ投法で、「わざと相手にストレートの握りを見せ、テークバックで一瞬だけ打者からボールが隠れた瞬間にフォークボールの握りに変えて投げる」と言った。
どれもこれも「ホンマかいな?」の話だが、みなホンマですと答えた。
ヤクルト時代の古田敦也だけは、何を質問してもギャラが発生しない質問にはまともに答えてくれなかった。これもホンマの話しです。