少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

907 冬の終わりの東京で

我が家では「福は〜うち〜」も「恵方巻き」も余裕がなくてできません。
恵方巻き」はバレンタイン同様の商業主義みたいなので、もともとやりませんが、やはり「豆まき」だけは日本の伝統ですから、来年こそは復活させたいと思います。
安城に居た子供のころは、和紙に歳の数だけ豆をくるんで、頭の上を三回半ほど回し願をかけ、そして自分の後ろにポトリと落とす。家族分の包み紙を拾い集め、おばあちゃんとふたりで家から一番近い曲がり角に行き、やはり後ろ向きで、その豆の包みを捨ててくる。
「鬼が集めに来るから、後ろを見ちゃ駄目」だとおばあちゃんが言う。
とても見たい気持ちを抑えて家に帰る。翌朝、早起きして、その曲がり角に行くと、豆の袋はない。「やっぱり鬼が取りに来たんだ」と子供の僕は思う。安城の風習ではない。おそらく東京の風習だが、東京の曲がり角に豆がある風景はあまりお目にかからない。かつてはきちんとやっていたのだが・・・。
2/1、銀座のジャズクラブ「シグナス」へ行く。歌手でタレントで歯科医のMちゃんから熱烈な勧誘メールを約一年に渡っていただく。彼女とは一度しか会ったことがない。それも二年前の話だ。「本当に俺のこと覚えているの?」と返信すると「もちろん覚えていますよ」と彼女。本当かなあ、半信半疑だが、熱意にほだされ行く。だが、彼女、僕を見ても無反応。やっぱしな・・・、だろうと思ったのでショックはさほどない。世の中、まあ、そんなもんだ。ゼニが無いのでビールの小瓶一本で2ステージ聞く。話し相手も居ない、試練の3時間半。彼女の言い訳。「安藤さんって二人いましたっけ?」。そんなことワシに聞かれても知らんがな。
2/2、そのMちゃんと半蔵門で会う。僕の歯の主治医A先生が体調を崩し、診療がままならず「どっかにいい先生がいたら紹介してよ」という依頼を以前からきいていた。で、さっそくMちゃんをA先生に紹介した。三番町の先生のクリニックを訪ね、約一時間、話し合い。その後、ドラゴン斉藤さんの知り合いの店「するが」にてMちゃんと食事。「高いお店はお金持ちのお客さんに連れて行ってもらってね」と僕は定食屋さんへご招待。ひとりでは、なかなかちゃんとした店には行けないが、おかげで久しぶりにちゃんとしたごはんをいただけた。A先生から「予想以上に優秀な先生を紹介してもらった、ありがとう」と感謝の電話。Mちゃんからお土産のロールケーキをいただく。
2/3、「6時からなら予約とれます・・・」Mちゃんから意味不明のメールが・・・。また勘違いメールかと思いきや、そうではないらしい。歌手、タレント、歯科医の他に美容カウンセラーの資格も持つ彼女。無料でエステをやってくれる、という話を前夜したが、さっそくのアンサーだった。主語がないメールを久しぶりに受けたので戸惑った。そして6時に新宿へ。京都からセミナーで上京していた、エステの経営者でもあるMちゃんのお母様が、エステを施してくれました。
午後9時、終了。下高井戸に出てK会長の店に顔でも出そうかと思い、電話を入れるや、これから会議だという、凄いなあ、みんな働いてらあ。
何か食べようと歌舞伎町を一周するが、次から次へ押し寄せる風俗のポン引きの誘いを断るために歩いているようで、西口のション便横丁へ行く。安い鰻屋があるので、久々に喰おうと思い、行くともう潰れていた。
ふと、足元を見ると、サラリーマンが電柱にからまるようにしてひしゃげていた。「アブねえなあ・・・」。こんなとこでひしゃげていたら、眼が覚めたら身ぐるみ剥がされて、この寒さなら確実に凍死だぜ。首から携帯と少し古めのデジカメぶら下げていたから、一発でお上りさんとわかる。
人類愛者の僕は「こんなとこで寝てたらだめだ。バッグも財布も携帯もみんな盗まれるぞ」と起こしてやる。酔っ払いは僕と同年代かやや若い。
「家はどこだ?」と尋ねると「山形だ」と・・・やっぱり。彼はもう歩けない、立つのがやっとだ。大きなバッグを抱えている。「ホテルはどこだ?タクシーに乗せてやる」というと「ホテルはわからん」と言う。仲間が居るというので「んじゃ仲間に電話してどこのホテルか聞け」と言うと電話を掛けるが、もうダメ、完全にイカれている。で「俺は山形県庁の人間だから県庁宿舎に帰る、あんたは福岡の県庁の人か?」と。身なりはきちんとしてる。どうせ役人だろうな、と思っていたら、やっぱりな。
医者、警察官、役人、教師の酔っ払いはだいたい一発でわかる。ほぼ例外なく同じパターンだ。しがみつかれ、絡みだしたし、唾が飛んで汚いし、なんだかゲロまでひっかけられそうだったので逃げた。まあ一度、痛い思いをした方がいいかもね。新宿は山形とちゃうぞ、恐〜いんだぞ。
くっそう、この大不況の中、新宿は人の群れ、不況なのはオレだけか?しょーもない勝ち組の木端役人に絡まれるし、あー早よ帰ろ・・・と思って駅に向かって人波を歩いていると、後ろから猛スピードでダッシュしてきたバカが僕の脇をすり抜け、反対側から歩いてきた女性にぶつかり、女性はバランスを崩しそのまま後ろ向きに転倒・・・のところを、咄嗟に僕が抱きかかえ助けた。「あっぶねえ野郎・・・だな、ちっくしょう。大丈夫?」「ああ、はいありがとうございました」とドラマでよく見かける光景。ドラマの中だけかと思ったら本当にあるんですね、こんなこと。
それも抱き抱えた彼女、見たらすごい美人。しかもすんごい、いい香りが・・・。びっくりするくらい好みのタイプ。このまま連れて帰りたくなるような、そんな抱き心地。きっと神様からのプレゼント。さっきの山形県庁の見返りだな。
彼女の驚いた顔と安心した顔、あれは間違いなく僕に惚れたな。ドラマなら、もう一度どこかで偶然会って、きっと恋が芽生えるはずだ。可能性はゼロではない。人は僕のことを妄想ウマシカ人間と呼ぶが、そんなのカンケーねえ。
笹塚に着き、1000万円のマンションの出物があったので見に行く。アカン、5階部分で、目の前が中央自動車道で下が甲州街道。騒音と排気ガス。通理で安いわけだ。99円のカップ蕎麦と売れ残り半額のおにぎりを買って帰る。今夜は渡辺麻友AKB48の「さばドル」第4話。コニャックを銀のキャップでストレート、ひとり飲みながら見る。つまみはMちゃんがくれたロッテのガーナ。僕が「世界で一番好きな食べ物」だと言ったら、さっそく買ってきてくれた。凍えそうな部屋で食す。
さあ、明日は久々に朝、昼、夕、夜と4本のアポがあるぞ。全員、男なのがイマイチだがまゆゆもがんばっているので、オッサンも頑張ろう。