少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

943 老母心

2/22(火曜日)。名鉄知立(ちりゅう)駅6:00発中部国際空港行きの知多バスに乗るため、朝5:30分に安城の自宅を出る。
前夜、準備をしてる際、自宅の冷蔵庫をチェックする。不在中に腐ってしまうナマモノを整理するための、いつもの習慣だ。この夜は僕がイトーヨーカドーで買ってきた深夜半額割引の「たらこ」の食べ残しが発見された。「どうしようかな・・・」。時刻は前夜午後10時。
「そうだ、おにぎりにして朝のバスの中で食べよう・・・」
この不用意なつぶやきが「老婆心」に火をつけてしまった。
「いくつ作るの?」と80過ぎの母親が僕に尋ねる。
「まあ、たらこの量からして2個で十分です」と答える。
その後、僕は自宅の二階にある「ビリケンカフェ」に戻り、明日用のコーヒー豆を挽いたり、いろいろと作業して12時に再び、三階の自宅に戻る。
なんと6個のおにぎりが出来ていた。
「二つでいいって言ったのに・・・」母親が不快な顔をする。そして6個のおにぎりの具の説明に入る。
「で、たらこはどれに入っているの?」
「あら、忘れちゃったわ・・・」
「・・・・」まあ、仕方ないけど・・・。
前日から「明日はどうやって知立まで行くのか?」と何度も何度も尋ねられる。「新安城から名鉄で行く」と・・・。急行以上なら一駅。鈍行でも二駅。乗れば7〜8分くらいだろう。
「足が悪いのに、重たい荷物を持ってどうする。トヨジさんかT君に知立まで送ってもらえないのか?なんならおごるからタクシーで行けばいい」と。ありがたいが、そんなことで切り札のトヨジは使えない。知立までタクシーを飛ばすほどの余裕は我が家にはない。しかも新安城まで、ゆっくり歩いても5分とかからない距離だ。丁寧にお断りしたが、このやりとりは前々日から、これで何度目になるだろうか。
「新安城はエレベータが出来たからいいけど、知立駅は階段を昇り降りしなければならんでしょ・・・やっぱりタクシーにしなさい・・・」
「いや、だから大丈夫ですって・・・。これくらいの荷物は普通ですから」
「じゃあ、これ持って行きなさい」とパスモの名古屋バージョン「マナカ」なるプリペイドカードを老母が差し出す。
「なにこれ?」
新安城駅のエレベータ乗り場には切符売り場がなくて、これでしか入れないから、これを使いなさい」
「ええ、そうなの」と僕。
エレベータが出来たのは知っていたが、キップ売り場が無い、とは知らなかった。
「だけど、こういうのは中国で失くすのは嫌だかや極力持って行きたくないんだよね」と僕が言う。実際、僕は同じような財布を二つ用意して日本バージョンと海外バージョンに分け、常に入れ替えている。だから僕のパスモたちは日本で留守番組なのだ。
「一万円入れたけど、残りは2000円くらいだと思うから・・・」と老母。
わずか220円の切符代のことで、紛失のストレスは負いたくないのだが、キップ売り場が無いということなら仕方ない・・・。
「そいじゃあ、お借りします・・・」
「大切ななもんだから失くさないでよ」
だから・・・、と言いかけて言葉を殺す。
(つづく)
1000カウントダウン「16」