少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

965 星野仙一6

冷静に考えれば掲載できるわけがない。もし出したら他のマスコミから「凄い」と言われ、見返りに関係した人間の「クビ」が飛ぶ。そして「バカだ」と世間の物笑いにされる。だから僕は読売の清武さんを応援したい。レベルはまったく違うが気持ちは同じだ。こんなことがあったことを星野さんは知っていただろうか?
これが原因というわけではないが、僕が中日を辞めるきっかけのひとつではあった。思っていたのと違う仕事。グラウンドやスタンドの熱気と記者席の冷気の温度差は予想以上に大きかった。情熱を傾けられない。
その後僕はしばらくフリーランスになる。この事件で親しくなったFLASH日刊ゲンダイから仕事をいただくようになる。収入は倍増した。元スポーツ新聞記者というブランドは予想以上に高く、破格の原稿料をいただいた。
30歳前後、家賃12万、駐車場4万の四谷の一軒家、BMWに乗り、生命保険は毎月8万円も払っていた。銀座の画商から好きな作家が新作を出すたびに版画を買い、骨董品を漁っていた。
まあ、こんなことが長く続くわけはない・・・と、以前からお誘いを受けていた「日刊ゲンダイ」に社員としてお世話になることに決めた。30歳の時。
浜松市営球場での横浜戦だったかな。取材で出かけた。まずは明大の先輩の豊田(成佑)さんに話をした。「そうか、じゃあ監督に聞いてくる。ちょっと待ってろ」と豊田さん。
しばらくして豊田さんが苦笑しながら戻ってきた。
「安藤が日刊ゲンダイに入りました・・・って言ったら、おい、その会社辞めるまで、オレの前にツラ出すなって言っとけだってさ」と言ってガハハハハと豊田さんは豪快に笑った。
一見、辛口の社交辞令に思えるが、僕にとってはかなりの恐怖。こりゃマジにツラ出せないな・・・どうしようか・・・とそれは悩みました。
実際、日刊ゲンダイが要求する原稿は90%が批判原稿。女絡み、銭絡みなら100点満点。選手から苦情が来たら「うちは雑魚は相手にしない。書かれたらそれはあなたが一流の証しです」という殺し文句を使うのだが、中日スポーツ時代に築いた選手や職員との交友関係を日々、切り売りしているようだった。そして巨人から出入り禁止になるのがステータス。僕は5年間で2度ほど出入り禁止になりました。この部分は東スポさんと競争です。
しかし、星野さんが、第一期監督を退かれ、再び解説者になり中日スポーツの評論家になられたとき、日刊ゲンダイの安藤のロングインタビューに応じてくださいました。(現役監督時代に出来なかったのは記者として失格なんですけどね)。
(次でおわりです。ながながとすみません)