少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

982 黄色い星の子供たち

悲しい映画(DVD)を観た。
「黄色い星の子供たち」(ローズ・ボッシュ監督。フランス・ドイツ・ハンガリー共作。出演=メラニー・ロランジャン・レノ他。2010年)。
1942年,第二次世界大戦のさなか、ナチス占領下のパリ。
フランス政府はナチスユダヤ人狩りに全面協力。ユダヤ人はフランス国籍取得者だろうが、差別区別のため、胸に黄色の星印をつけることを義務づけられていた。タイトルの「黄色い星の子供たち」の由来。
公園、映画館、遊園地はもとよりスーパーマーケットにさえ出入りを禁じられ、夜半の外出も不可。
そしてナチスの指示で行われたヴェル・ディブ事件。
7月16日の夜明け前、問答無用のユダヤ人一斉検挙がパリ警察によって決行された。
およそ、1万3000人のユダヤ人、女も子供も赤ん坊もだれかれ構わず拘束され、ヴェル・ディブという名の冬季競輪場に強制収容。
5日間にわたり、水も食糧も医療も与えられず、排便さえままならない状態で放置された。
その意図は、ナチスによるユダヤ民族の消滅。
ナチス大義名分はロシア軍の攻撃にそなえるためユダヤ人を傭兵にする・・・と。
「ならば、何故、女、子供、老人、病人まで強制送致するのか」と連合軍。
もし、フランス政府が加担するならフランスも民族虐待の同罪だと連合軍が進言するも、強制検挙は決行された。
ナチスの要求は2万5000人。
フランス政府がナチスの収容所に送ったユダヤ人の総数は1万3152人。
うち、子供は4051人。
善良なるフランス市民が、ユダヤ人を匿い、助けようと試みるシーンには、いささかの安堵は感じるものの、全体の99%は悲しみに包まれた実話。
貨物列車に詰め込まれ、親の元へ移送されるのだとばかり信じていた子供たちは、結局、ひとりとして生還することなく全員ガス室へ。
1995年、フランス、シラク大統領が、この事実をフランス政府の責任だと認めるまで、闇に埋もれた歴史上の事実。
願わくば、多くの方に知っていただきたい。