991 上海奇譚
4月7日、当初の予定より10日遅れで帰国しました。中国での45日間、うち32日間が病院。されど、ビジネス成果は当初の予定の200%。ついていました。書き残したことは、時の河を逆流して、少しずつ書きたいと思います。
帰国前日の4/6(金)。午前、肝細胞移植病院の上海オフィスを訪れ、軽い打ち合わせ。なんと、昨年、大苦戦した日本レストラン「G」の徒歩圏内。JALのオフィスと同じビル。前日は日本から「膵臓癌」の患者さんが治療に訪れていた。
A店長、N料理長と、歩いて「G」の跡地へ。すでに違う日本レストランが入っていた。なんでもバテレンが経営者になったそうだ。成功して欲しいと願うが、きっと彼らも異常な家賃に苦しめられ、結局、潤うのは、中国人家主のみという、方程式。かつての常連さんたちが、ビルから出てきて、それぞれのランチへと向かう。こっちは、向こうの顔をよく覚えているが、向こうはこっちを覚えていない。まあ、そんなもんだ。
僕らはタクシーに乗り、「15元(200円)ラーメン」の店に行く。
上海で大人気の日本人経営の「豚骨羅麺」。この日のランチも大盛況。
博多の屋台出身で本格的な博多ラーメン。日本なら普通に500円だが、ここでは200円。中国でも上海は東京と同じ家賃だから、200円は格安。しかも日本風の焼き餃子は10個ついて130円。
日本人オーナーのTさんに聞いた。「どうしてこんなに安くできるの?」
「ものすごく、企業努力しています。どうしたら1円でも安く、日本のおいしいラーメンを中国の方々に食べていただけるか、日々考えているんです」。
流石である。基本姿勢が「金銭的成功」ではない。まず、「食べてもらいたい」という姿勢がすごい。「だから、みなさんが思っているほど儲かっていません」とTさん。1号店、2号店とも大盛況で投資家が誘致話をしょっちゅう申し入れてくる。しかし、彼らは容易に首を縦に振らない。金儲けがとりあえずの目的ではないし、安易に話に乗れば「質」は確実に落ちる。賢い経営者だと実感した。
またタクシーに乗り、A店長の案内で買い物。「ミネソタ・ツインズ」の西岡剛のジャージを見つけた。100元で買う。これは嬉しいぞ。カブスの福留もあったけど、ワンサイズ大きくて諦めた。
その後、A店長の紹介で日本人のゴルフのレッスン・プロの方に取材し、次の原稿のヒントを得る。
つづく。