994 さくらとトヨジとUとT
ピンポンを鳴らす。
カーテンが閉まっていたので絶対に留守だと思っていた。が、「どちらさまですか?」と女性の声。
「安藤です」「どちらの安藤さんですか?」
「お友達の安藤です」「何の御用でしょうか?」
「ただ単に遊びに来ました」「・・・・」
そら、こんな受け答えでは誰も出てこんわな・・・。
が、出て来た。奥さんだ・・・。
「あっこんにちは、安藤です。U君いますか?」
「はあ・・・ちょっとお待ちください」
「おったな〜、何やっとるだ、あいつ」とトヨジ。「知らん」と僕。
しばらく間をおいて、ぼさぼさ頭のUが出てきた。
「なんだあ〜、お前らかあ〜」
「お前こそ、なんだ〜、その頭は?寝起きかあ?まあすぐ夕方だぞ」
「違うって・・・、テレビで競馬見とったじゃん」
「お前、教員がまっ昼間からテレビで競馬とはたいそうなご身分じゃの」
「バカこけ、まっ昼間ったって日曜じゃねえか。(奥さんが)安藤・・・って言うもんで、あの安藤は東京におるし、誰かと思ったわ。もうひとりの人は、頭がつるんとしとるちゅうで、誰だかわからんかったわ〜」と大笑い。
そんなわけで、ビリケンカフェに移動。明るいうちから酒盛りが始まる。車のトヨジはノンアルコールビール。ちょうど老母が店に居た。
「Uさん・・・って、あのUさん、あらあらお久しぶり。お母さんお元気かしら?」
Uも高校時代の常連で親同士も面識がある。Uの親父は元愛知県警の偉いさんだ。僕が中日新聞に入ったら社会部の記者はみなUの親父のことを知っていた。
それにしても僕らの仲間だから、教職などという職業についてはいけない人間なのに、どういうわけか場違いな仕事をしている。途中、大阪から魚も釣れず、車のバッテリーも故障して出費したブルーブルーのTも参加。高校時代のバカ話で大笑い。「かあちゃん、待っとるで、俺先に帰るわ。せっかく仲直りしたのに、またぶり返すと面倒くせえで」と愛妻家のトヨジ号帰還。さらに3人で盛り上がり、またやろうぜ、で午後8時すぎにお開き。この間にも仕事の電話3本入れる。
後片付けしながら、ふと足を見ると、けっこうヤバい。
本当は、安城に一週間ほどいて、ビリケンカフェを手伝うつもりだったが、どいやら無理そう。きょう、4/10にも帰京せねば・・・(涙)。