1128 地の縁
昨6/20、嵐の去った夕刻。家の前に飛んで来た枯葉たちを集め、袋に詰めた。
虚しさの茜雲が美しく、しばし散歩に出る。
井の頭通り沿いに、なにやら素敵な中世の建物が・・・。覗いてみる。
「カフェ・エルミタージュ」(世田谷区北沢4-31-10 03-6407-0800)。最近できたロシアンカフェ。手作りのピロシキとロシアンティーをアイスで・・・(650円)。
中世の外観に、サクラビールのクラッシックなサイドボード。それに掛け時計。美しいロシア人の奥さんと、スキンヘッドのご主人。
聞けば松本で骨董屋をやっていたそうな・・・。
「うちも母方のお墓は松本ですよ」
「あら、そうなの・・・。僕は生まれ育ったのは安曇野なんだけどね」
「安曇野といえば僕も一年間だけ、穂高に居ましたよ。有明という駅から中房温泉に行く山道を登った中腹です」
「なに、そうなの、まさにそこだよそこ・・・」
なんて話でマスターと盛り上がりました。
その後、とぼとぼと井の頭通りを西へ、環七を越えて海軍・五十嵐隊長のアパートを家庭訪問。僕よりデカい体格に親子4人、四畳半に30年。隊長が搭乗した軍艦の写真が飾られている。麦茶をご馳走になり、よくこの狭い鉄階段をあの巨体が上り下りできるものだと関心する。
「ビールでも飲みに行こう」という僕の誘いに「めんどくせえし、この辺、なんにもねえし、おれ、ビールのまねえし」とゴロンを決め込んだ隊長は動きそうにねえ。仕方なく、アパートを出て、京王線「代田橋」駅前でしばし佇む。
40年間営業してきたミスター・ドーナツが3日ほど前に閉店した。
特にドーナツが食べたかったわけでもないが、腕組みなどして途方に暮れていると、妙齢な女性に話かけられた。彼女、いろいろと話してくるので、「立ち話もなんですから、お茶でも」と言うと「あら嬉しいわ誘ってくださるの、じゃあ割り勘で・・・」などと言いつつ一杯200円のアイスコーシーをすする。
よくおしゃべりする方なので「駅前のもんじゃ焼でもどうですか?」と言うと「あら嬉しい、何年ぶりかしら、男性と飲めるなんて・・・」と気さくな彼女。もんじゃをつつきながら、彼女の半生を聴く・・・。
彼女とは甲州街道と環七の大原交差点で別れ、僕は甲州街道沿いを笹塚へ。
迷路のような路地をわざと選んで、脇道脇道へと進んだ。
そして出たのが、なんとYURIの叔父さんの家の前。意図したわけではない。僕の自宅と同じ町内会、もちろん番地も同じ。直線距離なら200メートルくらいかな。カール・ルイスなら何秒で着くだろう、ティーショットなら届く距離だ。彼女も生前、何度もこの家に来たんだろうな。
そして彼女の三鷹のマンションからは僕が生まれた武蔵野日赤病院がよく見えるし、まったく不思議なもんだ。
自宅に着くと山形のYURIのお母さんからさくらんぼが届いていました。
追記・・・僕の母親には4人の弟がいますが、母親によれば、4人が4人、全員、ばらばらの時期に笹塚に住んでいたそうです。確かに僕が早稲田で新聞配達をしていたころ、一番下の弟(叔父さん)が住んでいたのは知っていましたが、他の3人が住んでいたとは、つい最近知りました。
偶然にしては凄すぎると思いますが、どうなんでしょうか?
また何か点が繋がるようなことがありましたら書かせていただきます。