少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

1196 帰国2

結局、到着は2時間遅れ。早くシャワーを浴びて酒を抜きたい。電車で帰るのが一番安い方法だが、この大量の荷物。乗り換えの移動は、まず無理。
奮発してリムジンバス3000円。出発まであと5分。いつものように、売店でおむすびと日本茶を買おうと走る。が、おむすびがない。「そこになければありません」と売店のおねえちゃん。
結局、あまり食べたくもない、売れ残りのしなびたサンドイッチを選ぶ。レジでお金を払うと「お弁当でしたら、こちらにありますよ・・・」だと。「なんだよ、だったらさっき言ってくれよ」と僕。ぱっと見たら美味しそうなお弁当がレジの外にたくさん並んでいる。もうサンドイッチの清算も済んでしまったし、バスの出発まであと1分。
昔・・・って、こんなんだったっけ。学生時代、コンビニのバイトくらいやったけど、「おにぎりは売り切れましたけど、お弁当でしたらこちらに」くらいは誰に教えられるでもなく自然に口に出たのにな・・・と日本の将来を憂う。
リムジンバスのチケット売り場のおねえーちゃんも小さな声で何言ってるのかわからなかった。聞き直すと「通常60分で行きますが、本日は渋滞で二時間から三時間かかるかも知れませんが、それでもよろしいでしょうか?」だと。「それでもよろしいけど、もう少しはっきりしゃべってくれ」と僕。
人は「クレイマー」と呼ぶかも知れないが、サービス業がサービスしないことに看過できないタチなのだよアケチくん。
南方航空の乗務員、コンビニとチケットのおねーちゃん。彼ら彼女らの能力にも疑問はあるが、一番なっとらんのは、指導者だろう。ゆとり教育世代が社会に出て、「わたし、何で叱られたのかしら・・・?」と思っているに違いない。よく考えてみれば、実に気の毒な世代ともいえる。
空港から浦安あたりまでは実に順調。高速道路から東京スカイツリーが見えだしたころ、渋滞にはまる。
リムジンバスは箱崎インターを降り、一般道を走行する。しかし、最短距離とは違う意味不明の遠回り。この人たちの渋滞情報網の凄さは知っている。それにしても解せないルート。そして再び霞ヶ関インターから「新宿まで60分から80分」という表示がある動かぬ高速に突入した。空いていれば新宿まで5分。下道でも10分のコースだ・・・。僕の他の乗客は外国人がほとんどで東京の地理など知るよしもない。だが、僕は違う。
座席から移動して、運転手さんの横に座った。
「運転手さん、わけを聞かせていただこうじゃないか。何故、大渋滞表示の首都高へ突入・・・?」
「あああ・・・すいませんねえ・・・本当に」
「いやあ、責めてるわけじゃないんですよ。渋滞は運転手さんの責任じゃありませんからね。ただ、首都高の意味が知りたくて」
「もう、前のバス、後ろのバスと連絡取り合って、都内の状況をすべて把握した上での、ベストの選択なんですよ・・・これが」
「しかし、ここから新宿まで、この時間の自然渋滞で一時間なんて聞いたことないですよ」
「一年でも数回あるかないかなんですが、ここ数日、どうしてだか、ずっとこんな感じなんですよ。実は、前のバスは下道で行ったんですが、もうまったく動けない状況なんですよ」
「そうでしたか。まあ、情報網ナンバー1のリムジンさんですから、なんかあるとは思っていましたが、そういうことでしたか。よくわかりました、ありがとう」
「本当にご迷惑おかけいたします」
「いえいえ、僕らはただ座っているだけですから。一番大変なのは運転手さんですから、会社から超勤手当て、ちゃんともらってくださいよ」
と、僕はこのように普通の会話もできるのだよアケチくん。
ただ疑問はその場で解決したい。おかしいことや不当なこともその場で言う。ただそれだけのことなのに、人は何故「少数派」とか「奇人」「変人」扱いするのだろうか?
結局、成田から4時間かけて新宿に到着。立ち食い蕎麦でかつ丼と盛り蕎麦セット650円を食べ、タクシーで帰宅。
朝6時にホテルを出て、着いたのが夜9時過ぎ。シャワーを浴びて、そのままバタンキュー。この夜はクーラーも扇風機も蚊取り線香さえもなく、朝までぐっすり。己の体力と内蔵さんたちに「ご苦労さん」。