少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

1224 デビュー戦結果3

今、自宅で地球上で一番旨い飲み物と思われるサントリーのオールフリーをあおりながら、これをしたためている。つまみは無い。
食卓からは美味そうな野菜炒めと炊き立てのご飯の香りが・・・。されど、私の分は永久的に無い。
だから、原田芳雄さん本人もよく買いにみえたという、近所の個人経営の小さなスーパーで、迷った挙句、売れ残って半額になったチキンカツ丼220円を所望した。せめてチンしたいのだが、食卓では親子水入らずで楽しい夕げの最中なので、遠慮する。まあ、一時間もすれば空くだろうて。
それよりゴルフの話。K山ジュニアが運転する車は蔵前橋通りを北上し、荒川にかかる平井大橋の途中に造られた平井ICから関越道へ。西の空に東京スカイツリーを仰ぐ。
「ゴルファーたるもの、一度は、あのスカイツリーのてっぺんから、ドライバーショットを打ちおろしたいとは思わないかね?」と思いつきで僕が質問する。
スカイツリーは自宅から毎日見ていますけど、そんなことまったく考えたこともないです」とK山ジュニア。
K山ジュニアは、かつてプロゴルファーを目指したこともある逸材だが、性格が穏やかで優しい。プロ向きではないかも知れない。
「それは、ゴルフに携わる者として、発想が貧困じゃないかね?」と僕。
「おっしゃる通りかも知れませんが、でもそんなことしたら危険じゃないですか?」とジュニア。
「キミはバカか?危険なら安全対策を考えればいいだけのこと。その前に、ゴルファーとして、あの300メートルの上空から、思いっきり打ってみたいかどうか?と考える。で、打ってみたいと思うかい?」
「そりゃ、気持ちいいでしょうね・・・」とジュニア。
「いや、僕は高いところあんまり好きじゃないんで、けっこうです」と兄山。
「社長たる者、自身の好き嫌いで判断しちゃいかんよ」と僕。
「はい、ごもっともです。で、何をどうしろ・・・と」と兄山。
「あの展望台の円盤部分の屋根に屋外の打ちっ放しコーナーを造る。360度の絶景だ。富士山や東京タワー。あるいは霞ヶ関のボンクラ政治家と私欲官僚目がけて、怒りのスーパーショットを飛ばす」
「そりゃ気持ち良さそうですねえ・・・。でも下にいる人に当たったら死にますよ」と兄山社長。
「だから、そこにビジネスチャンスがあるんだよ。球は一発2万円。その中に1万円を仕込んで打つ。さらに100球に1球は10万円分の引換券を入れて打つ。金が空から飛んで来て、喜ばないヤツは居ないだろ。100人から2万円ずつ集めれば200万円。で、99球に1万円を仕込むから99万円。そのうち1球が10万円だから支出は合計109万円。ボールはメーカーが広告宣伝費として無料提供してくれるからビジネスとしては十分採算が取れる。地方から来た人は田舎に帰ってスカイツリーに昇って来たと自慢して土産の饅頭を配るだけでは、ただの御上りさんで終わりだが、スカイツリーでドライバー打って来た・・・となれば一年くらいは飲み屋で自慢できるだろう。だから2万円の投資なんて屁みたいなもの」
「でも球が頭に当たったら本当に死んじゃいますよ」と今度は真剣にジュニア。「中国でもそういうことは、あまりやらないですね。その理由は、やはり危険だからです」と丁さん。
「その点については問題ない。主催者の東武電鉄が半径350ヤードの住民全員に無償でヘルメットを配布する。電鉄会社だからヘルメットは倉庫に腐るほどあるし。さらに地元の商店街は一日1000円で観光客に貸しヘルメット業でサイドビジネスを行う。これまさしく一挙両得。いやいや全員がハッピーになる仕組みだ。窓ガラスや車などの器物破損はゴルファー保険のようなものに入ればよい。うつむいて歩く人が多い昨今の日本だが、何故かスカイツリーの半径350ヤードに入ると、みんな上を向いて歩こうよになるという都市伝説が全アジアを席巻する・・・なんてどうだろう」
とまくし立てたころには、もう誰も反応してくれなくなってしまった。
仕方ないので、大好物のハムカツサンドを食べることにした。(つづく)