1244 デビュー戦結果11
ここで再びゴルフの話です。お堅い話が続いたので、忘れぬうちにやらかい話を少々。
さて、試合は後半の9ホールへと・・・。
勝負前に胃を満たし、汗をかいたままシャワーも精神統一もせず、プレーに臨む選手たちのショットをとくと拝見しようではないか。
う〜ん、僕以外はみなさんナイスショット。シャワーとプレーはあんまし関係ね〜・・・ってことか?
しかし、時間が経つに連れ、みなさんのショットに乱れが生じてくる。
「おい、どうしたんだ」と僕が「喝」を入れる。
それでも、みなさん「ハアハア」「ゼイゼイ」と肩で息をし始める。
「暑い」「疲れた」「ああ、やっちゃった・・・」そんな独り言が、あちこちで。
「キミたち大丈夫か?」
「安藤さんだけハアハアしていません」とジュニアが兄山に報告する。
打数は人一倍多いが、息など切れるわけがない。
何故なら相手は止まっているボールである。
守備に着くのに全速力で行け、と高校野球のように指示も出ない。
「どうして、止まっている球を打つだけなのに、キミたちは肩で息をするのか?」
「安藤さん、ホントに苦しくないんですか?」(兄山)
「ぜんぜん。だってボールが止まって見えるもん」
「そりゃ、ボール止まってますから」(兄山)
「かぁ〜〜〜〜つ。その考え方がそもそもいかん。かの打撃の神様・川上哲治が言った。ボールが止まって見える。あるいはボールの縫い目が見える・・・と」(安藤)
「はあ?」(兄山)
「みんなは、それが試合中のことだと思っているが、実は多摩川グラウンドでの練習中の発言だったということを知るまい・・・」
「ええ、そうだったんですか?」
「そうだよ・・・実話だよ・・・」
「で、それが、なんか関係あるんすか?」
「まあ、最後まで聞け。当時はマシンもなく、打撃投手が最後まで相手をするわけよ。で、ひとりの打撃投手が300球も投げたところで、川上さん、もう勘弁してください、もう投げれません、無理です、と泣きを入れたわけさ。で、最後の10球くらいはヘロヘロボールが来て、それを打った川上さんが、ボールが止まって見えたとか、縫い目が見えたとか言ったわけよ。確かに300球も投げれば縫い目くらい見えると思うよ」
「おもろい話ですけど、それが何か?」
「喝!キミたちの球は初めから止まっている。縫い目ならぬ穴ぼこもよく見えるじゃろ。それを打って、ヒーコラとは何事か!」
「ご趣旨がよく理解できませんが?」
「要は、練習不足ということ。私のように1000発も打ってくりゃあ、たかだか200発くらいでヒーコラ言わなくて済むんだよ」とまくし立てたころ、周りには誰も・・・。
とにかく、兄山もジュニアも丁さんも、みなさん揃ってバカヘビースモーカー様。ラウンドが終了するインターバルごとに、あれだけプカプカやってたら、そら肺をやられてハアハアゼイゼイですわな。いくら素人相手に、プレッシャーが高まり、緊張から解放するためとはいえ、吸い過ぎやあ。ゴルフをやる以前の問題かと・・・?
(つづく)