少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

1375 いよいむ決戦・言葉学3

言の葉は、万葉の時代から、人の心情を司る・・・とされていますが、本当にその通りだと思います。
「言葉学」第三章に入り、ようやく「本題」ですが、ことスポーツ、中でも集団競技において、リーダーの言動はチームの士気を大きく左右します。
有名な例から行きましょう。
この章の冒頭で記した、読売との決戦1994/10/8での、三塁側ベンチ裏、長嶋監督は試合直前に選手を集合させ、「勝つ 勝つ 勝つ」と勝つを三回繰り返して、選手の気を引き締め、送り出しました。
一方、一塁側ベンチ裏のドラゴンズ、同様に高木監督も選手を集め、こう言って選手を送り出しました。「負けるな」。
「勝つ」と「負けるな」。一瞬、「同じ意味」だと錯覚してしまいそうですが、よく考えると「勝つ」>「負けるな」、微妙なニュアンスですが、そうなります。
だから、読売が勝って、中日が負けた・・・と早急に決めつける問題では、ありません。受け手によって、どちらが有効かという問題もあるでしょう。
現役時代の両者の性格からして、燃える男・長嶋茂雄は常にアグレッシブ。守備でも打撃でも攻撃的。ハイテンションが売り物のムード作りが最大の武器でした。
一方で職人気質、いぶし銀の高木守道は、正反対。冷静沈着、ポーカーフェイスが売り物のローテンション。(ネクラとも言いますが)。
そんな二人ですから、その言動が逆転することは、まずありえません。共に「らしい」発言です。
ただ、冒頭に書いたように「言の葉」は心情を司り、「勝」という文字を試合直前にインプットした読売ナインと、逆に「負」という文字をインプットされた中日のそれとは、士気の上で大きな影響が出たような気がします。
高木監督としては、選手に平常心で戦ってもらうために、あえて「余計な力」の入りにくい言葉を使い、それが、監督自身、現役時代から「冷静沈着」を守る道として自己暗示の「魔法の言葉」だったのだと推測します。
ただし、それが、選手にどう伝わるのか、伝わったのか・・・、それは、現場の雰囲気もあり、そこに居る人しかわからないので、結果で書く事はできません。
今回のCS三連勝後の第四戦目。勝てば中日がシリーズ進出という試合前、高木監督は「あまり色気を出さんように・・・」と何とも腑の抜けた言葉で、選手を送り出しました。
10・8の教訓が生かされていないというか、相変わらず・・・というか、らしいというか、気抜けする「檄」ですが、これが一概に「悪い」と否定はできません。この一言で「肩の力」がふっと抜け、極度の緊張感から解放された、と思う選手もいるかも知れませんし・・・。
ただ、気になったのは、テレビの解説で初仕事の小久保(ソフトバンク引退)さんによると「最近は大きな試合でも緊張しない若手がたくさん増えた」というように、高木監督の「檄」は本当に「気抜け」させただけではないか、と感じるのです。
「勝つ」と「負けるな」。本日10/22決戦。プレーボールまであと7時間、両監督は、はたしてどんな「檄」を飛ばすのか、それは明日の新聞を見なければわかりません。今、確実に言えることは「負けなければいい」読売と「勝たなければならない」中日との闘いということ。今宵の引き分けドローは中日にとっては惨敗と同じ。
しょせんは、ヤクルトとの第一ステージで敗戦濃厚だったチーム。負けても失うものは何もない。そんな精神で立ち向かえば圧勝できるはず。前にも書きましたが、阿部、坂本、高橋ら主力選手が内野ゴロで全力疾走しないチームに僅差勝ちでは、たとえ、日本シリーズに出場できたとしても、栗山日本ハムに4タテ喰らって、恥の上塗りが関の山です。
ただ、今夜はドラゴンズが圧勝です。どうしてかって?それは勝利の男・安藤様が、いよいよスタンドに出陣するからに決まってるからじゃないですか!
それでは何度見ても、決して見飽きない映像をどうぞ。
今夜勝って、稲葉光雄コーチとともに、札幌に行きましょう。