少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

1685 消えない心疵1

視覚では目視できない心の疵、それが心疵。
痛みもかゆみもない、CTやMRI、最先端の医療検査機器にも反応しない。
医療で、できることはクスリ漬けにすること。次第に投与の量を増やし、やがては鉄格子のある窓の住人にさせる。
で、なければ、最悪の場合、自分で自分を殺すことになる。


地震津波で亡くなられた方が1万5881人。災害関連死という方が2万851人。差し引き4970人。(行方不明者2668名はどちらにも含まれていない・・・と思われる)
4970人の内訳はわからないが、自殺、心労過労による病死、事故死だと推測する。しかし、それは、まさに氷山の一角で、前記(1733 仮設住宅DVと児童虐待)したように、現場ではさまざまな理由から、心疵を負う方々が、大勢いる・・・というか、ほとんどすべての方が、多かれ少なかれ背負っている。


興味深いレポートを見つけましたので紹介したいと思います。
明日は我が身と思って一読ください。
社会心理学者・碓井 真史氏のレポートです。


ーーーーーーー以下ネット配信記事転載ーーーーー


東日本大震災から2年:心のリカバリーのために必要なことは?


碓井 真史 | 社会心理学者/新潟青陵大学大学院教授/スクールカウンセラー
2013年3月10日 23時10分


また、あの日が巡ってきます。また、あの季節がやって来ます。また、思い出し涙する人もいるでしょう。ドラマのような幸運は実際にはやってきませんが、ドラマのような悲劇はやってきます。不幸はいつも突然劇的に、私たちを襲います。

東日本大震災の心の傷


東日本大震災。何の誇張もなく未曾有の大災害です。地震津波で、死ぬほどの恐怖を味わい、大切な人や家財産を失い、目の前で命が失われ、多くのご遺体と直面し、原発事故で故郷を失う。それがどれほど深い心の傷になるかは、被災地外の人間の想像を遙かに超えたものでしょう。
2年たっても、「まだ現実味がない」と語る人がいるほどです。時間がたつほどにストレスがたまる人もいます。
特に今回の震災では、救助も支援物資も遅れ、多くの人が長い困窮生活を送りました。この時の「見捨てられ感」や「心の傷」が、今も痛む人もいるでしょう。
それでも、激しい悲しみや症状は、2年たって、しだいに小さくなってきているでしょうか。ただ、治ってしまったわけではありません。どの人の心の傷も、少し小さくはなったけれども、ずっと続いています。あるいは、激しい症状の人は少なくなっても、少数の人は強い症状に長い間苦しみ続けます。また逆に、2年たった今になって症状が出る人もいるでしょう。

身体の傷は、出血していればわかりやすいですし、2年も血が出続けることはありません。でも、心の傷は大きくてもわかりにくいものです。深い悲しみを心に秘めて、元気な姿を見せている人もいます。何年も何十年も、苦しみ続けることも珍しくありません。

精神科的な治療が必要なケースもありますが、薬では治らない心の傷もあるでしょう。ストレスも、我慢も、もう限界だと感じる人々がいます。阪神淡路大震災のときも、2年後以降、自殺などの悲劇が見られました。

幻滅期を超えて


大震災の直後、多くの人は立ちすくみます。これが、「茫然自失記」です。その後、被災者の中で相互扶助の気持ちがわきはじめます。『災害ユートピア―なぜそのとき特別な共同体が立ち上るのか』(亜紀書房)でも紹介されているように、多くの地域で見られことで、災害後の「ハネムーン期」と呼ばれます。
この時の東北の皆さんのすばらしさは、世界が感嘆しました。この気持ちは、今も続いていることでしょう。しかし同時に、時間がたつにつれて現実が見えてきます。


災害直後の困難は乗り越えても、復興は遅々として進まず、生活再建は険しいと実感する「幻滅期」がやって来ます。
このような変化は、どこでも、誰にでも起こる普通のことです。どん底の緊急事態を乗り越えるために、人々は自然に助け合います。その後、少し落ち着くことによって感動的な助け合い精神が弱まったとしても、それは人間の醜さを示すものではなく、人とはそういうものなのです。

そして、人は幻滅したままでは終わりません。これからこそ、「復興期」「再建期」と呼ぶべき時期がスタートします。それは、大きな困難を伴うものですが、被災地のみなさん自身が希望を持って前に進むこと自体が、心の復興です。その復興活動を支えるのが、社会の役割でしょう。
ただし、復興期、再建期だからこそのストレスに、気を付けなければなりません。



ーーーーーーつづくーーーーー