1900 便利な耳
安藤総理の耳は実に便利な耳である。
ここ3日ほど、右耳の「耳鳴り」がハンパじゃありません。もう、アタマの半分くらい、どこかに持っていかれたような感覚です。
でも、その理由は分かっています。隣のベッドに、「無呼吸症候群イビキモンスター」が来たからです。耳鼻咽喉科の患者も来るので仕方ありませんが、こりゃハンパじゃありません。本当に呼吸が止まり、静かになったかと思った次の瞬間、有り得ない地響きが襲ってきます。私の「睡眠」と引き換えに、早く良くなりますように、ナ〜ム〜。
それだけではありません。ドラマ「SP」の井上隊員(岡田准一)のように、異変を感じると、安藤総理の右耳のボリュームがキーンと上がり、立ちくらみします。マジ、時々、アタマを持っていかれそうになります。
安藤総理の病棟には脳神経外科、心療内科、外科の患者さんもいます。
脳梗塞で倒れた患者さんは、リハビリでみえていました。2名とも退院されました。アタマは正常ですが、身体が動かない。これも辛いです。50代、40代男性。昨日、退院された44歳男性は「きょうは、このまま、中野サンプラザに直行して、吉川晃司のライブを観るんです」ときついリハビリトレを終え、自身へのご褒美。そういう方はいい。絶対に回復されると思います。早く回復しておくんなはれ。
くも膜下出血で生死を彷徨い、合計8回も脳の手術を受けたMさん、30代前半は海軍兵。船で世界各国を回っていた。停泊中の船内で倒れ、陸の病院に運ばれたため、奇跡的に1%の確率で生還された。しかし、障害は残る。懸命のリハビリを続けている。一日も欠かすことなく、毎日、ご両親が来院して世話をしている。昨日のことと、人の名前は覚えられないという。看護師の名前はわからないが、「安藤総理」の名前は覚えてくれた。
退院したいのは山々だが、Mさんのことだけが気になり、心が痛む。
先日、一緒に昼ごはんを食べたAという爺さんは末期癌患者。不味そうな流動食に手が動かない。看護師に「食べなきゃダメでしょ」ときつく言われてた。
「こんな不味そうなもん食えったて、喰えないよねえ。おじいさん、なにが喰いたいの? 身体悪いんだからさあ、好きなもん喰ったほうがいいよ。何が食べたい? 出前とってあげるから・・・」と総理が言うと「あんた、おもろい」と言って、ヨーグルトを半分食べてくれた。
看護師によると、おじいさんは末期の食道癌で、半月ほど前には生死を彷徨っていたそうだ。「じゃあ、おじいさん、一度死んだんだから、あとはオマケの人生じゃん。早く退院して、旨いモン喰って死ななきゃ・・・」と口から出まかせを言ったら、本当に翌日「わしゃ、旨いモン喰って死ぬんじゃ」と言って強引に退院されたそうです。それだけの元気と気力があればヨロシ!
でも、余計なこと言うてもうたかな。でも、あんな流動食で餓死するよりマシでしょ、じいさん。鰻でも寿司でもステーキでも食って、滋養つけて、最後にばあさん抱っこして、安らかに・・・というのが理想・・・。
「でもさ、あんな状態で退院させてもいいの?」と別の看護師に尋ねると「いや、けっこうヤバいですけど、ご本人がど〜してもと、おっしゃるので・・・何で急に帰りたくなったんですかねえ〜?」と。んん、ヤバい。「ききっと、ばあさんが恋しくなったんじゃないっすかねえ・・・。ステーキも喰いたいって言ってたし(汗)」「そうだったんですか〜」「そうだったんですよ〜」
「少数派日記」初登場・・・吉川晃司「終わらないSun Set」
若かりしころ、東京中日スポーツの専属イラストレーター・岡林みかんにせがまれて何度も唄った曲。「ファンの私が言うんだから間違いないです。安藤サンの声。吉川晃司の次に吉川晃司にそっくりです」。安藤総理の声は、こんな感じだそうです。
寂しがり屋を気取って 塞ぐのもいいさ
別の僕を夢見てた 本当の僕〜
な〜んて、カッコええじゃないっすか〜!