1903 天草の空手アニキ2
しかし、待てど暮らせど救急車は来ない。
このままでは空手アニキが死んでしまう。安藤総理は自ら、名も知らぬ青年のためにナースステーションに足を運びEri隊員に「救急車はまだですか?」と尋ねる。決して、彼女に会うために行ったわけではない。アニキが心配なだけだ。
「きっと急患の手当中だと思います」との回答だが、アニキも急患だべ。もう鬼太郎の親父が半分出てきている。
ようやく救急車が2台きた。どうやら研修医のようだ・・。しばらく問診して「大丈夫、空気が入っただけのようです・・・しばらく安静にしていてください・・・」で終わり。えっ、それで終わりかよ・・・?で、アニキ、朝食をむさぼる・・・。鼻かんで、目ん玉に空気が入り、それで鬼太郎の親父がボコってどういうこと?
「あのさ、アニキ、昨日、顔面のレントゲンとか撮った?」と聞くと「あ、はい、たぶん・・・」という。ダイジョウブかアニキ?「で、骨折とか言われたか?」「いや別に・・・」「でもそれ、完全に骨折してるぜ、ヤバいよ」「マジすか?」「自分でわからんか?」「ハア・・・?」ダイジョウブか、アニキ?
しばらくするとEri隊員再登場。「アニキ〜帰る準備できたらナースステーションに来てちょんまげ」と。
安藤総理「ちょっと待った〜。Eri隊員、本当に、アニキ・・・こんなんで帰っていいの? だって、絶対、骨折してるよ、顔面。飛行機とか乗ってダイジョウブなの?」「あっダイジョウブですよ〜動かさなければ!」ってアンタ、飛行機乗るのに顔動かすやろ・・・。
しかし、本格的に帰る準備に入ったアニキに本物の救急車がようやく到着。
「アニキ・・本当に、きょう帰ります?これ、骨折してるから、メッサヤバいっすよ。もう一泊して、明日、もう一度、精密検査しないと・・・。まあ、どうしても帰りたい・・・っていうなら仕方ないですけど・・・」と本物の救急車。
アニキ「あ・・もし、できれば、自分、きょう、帰りたい・・・す」
救急車「そうですか、もう一泊、難しいですか?」
アニキ「あっ・・・はい」
救急車「そうですか・・・まあ、いろいろとご都合もおありでしょうから」
安藤総理「ワタシ、アニキのご都合知ってま〜す」
Eri隊員「ワタシも〜」
アニキ「・・・・・」
(つづく)