少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

1920 臓器移植考29

06/10 シカゴの本屋のお姉さんにお見舞いでいただいた図書カードを利用させていただき、SSさんに頼んで「移植医療 臓器提供の真実 吉開俊一著 文芸社刊」を買ってきてもらっいました。
著者の吉開俊一氏は九州大学医学部の出身で脳神経外科医。脳死判定をする立場から、移植医療に反対派でしたが、のちに推進派に転向され、本書を書かれました。本年5月15日は発行されたばかりで、まだ一か月も経たないほやほや本で、三省堂でもすぐには入手できず、有隣堂でも取り寄せでした。
消灯時間が迫っているので、詳しくは次回に回しますが、虐待児童をドナーにできるかという非常にナーバスな問題が発生しました。移植医療に否定的な毎日新聞の記事を検証してみたいと思います。


ーーーーーネット記事転載ーーーーーーー



<6歳未満脳死移植>虐待判断は第三者機関で…富山大担当医

毎日新聞 6月12日(水)15時1分配信


 改正臓器移植法に基づく初の6歳未満男児からの脳死移植が15日で1年を迎えるのを前に、男児脳死判定を実施した富山大病院(富山市)の塚田一博病院長(62)と治療を担当した医師の一人が毎日新聞の取材に応じた。2人は、家族の思いに応えることができたとしたうえで、医療機関の負担軽減のため、虐待の有無を判断する第三者機関の設置の必要性を訴えた。男児の臓器提供で治療を担当した医師が取材に応じたのは初めて。

 男児は低酸素性脳症に陥り、法的脳死判定を経て、心臓、肝臓、腎臓、角膜を提供した。2人は「家族の意思を尊重できた」(塚田病院長)、「救命だけを考えた。臓器を残そうなどと考えていなかった」(医師)と移植の経緯を振り返った。

 法律で定められている虐待の有無の確認について、医師は「一番難しい問題だ」と主張。当時、院内の児童安全保護委員会で協議し、13人のメンバー全員が「虐待はなかった」と一致したが、医師は「一人でも異論があった場合、臓器を提供したいという男児の家族の思いが実現するのだろうかと不安になった」と心境を明かした。そのうえで、「判定する第三者機関ができれば、主治医や病院の負担は減る」と話した。

 医師は脳死移植について「普段の医療の一つの選択肢でしかない。脳死や臓器提供だけでなく、救命治療など、子どもが『生きる』ための議論も深めてほしい」と訴えた。

 塚田病院長は今春、就任。医師は匿名を条件とし、2人は「できる範囲で(国民の疑問などに)答える社会的責任もある」(塚田病院長)として取材に応じた。

 改正臓器移植法では、虐待を受けた児童の臓器が提供されることのないよう医療機関側に虐待の疑いの有無の確認を求めており、院内に虐待防止委員会などの設置が義務づけられている。

 男児の臓器提供について、厚生労働省脳死移植に関する検証会議は今年2月、救命救急や脳死判定などの手続きは「妥当だった」とし、虐待の可能性もなかったとする結論を出した。【吉田卓矢、大森治幸】

 ◇一問一答

 −−昨年の脳死移植をどう評価するか。

 医師 男児がいかに生きる方向に持っていけるか、真剣に取り組んだ。

 −−虐待の有無の判断をどう考えるか。

 医師 一番難しい問題だ。例えば、かなり昔に虐待された形跡があるが、現在は親が改心し大事に育てている場合はどうか。判断が分かれる場合もありうる。

 −−どうすれば、脳死移植への理解が深まるか。

 病院長 理解は進んできたと思う。我々は常に家族の希望に沿えるよう準備し、いざという時に粛々と対応するだけだ。

 医師 小児医療は、脳死移植だけでなく、生から死まで一連の軸で考えなければならない。社会全体で議論する必要がある。

 −−小児の移植医療で改善すべき点は。

 医師 虐待の有無の問題は、児童相談所も苦しい判断を迫られる。判断を間違えると社会から厳しい批判を浴びる。判定をする第三者機関ができれば負担は減る。ただメンバーは常にスタンバイ状態で、プレッシャーも相当なものになる。

 【ことば】富山大病院での6歳未満男児からの脳死移植

 15歳未満からの臓器提供を認めた改正臓器移植法(2010年7月施行)に基づき、12年6月、実施。脳の回復力が強いため、脳死判定で特に厳格な判断基準を適用した6歳未満として初のケースだった。男児は富山大病院に搬送後、家族が臓器提供を申し出て、法的に脳死と判定された。同法は18歳未満の場合、虐待の疑いの有無の確認を求めているが、富山大病院と児童相談所の間での情報提供を巡って連携が一時うまくいかなかった。

ーーーー以上ーーーーーー


相変わらず突っ込みどころ満載な「雑」な原稿だな。ナーバスな問題だから、もっとナーバスにかつ解り易く書きなさい。この問題を複雑化しているのには、マスコミの知識不足にも一因がある・・・と断言しよう。


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