少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

1944 上原慕情

特に親しい間柄ではないが、とある女性を上原に誘った。
上原・・・そう、代々木上原です。
都営地下鉄・千代田線の始発駅であり、小田急線の特急停車駅。渋谷区でも有数の御屋敷街。
この日、女性は仕事がオフで、なんでも娘さんのバレエのチケットを吉祥寺で友人に届け、明治神宮のパワースポットの井戸を巡り、また別の友人たちと原宿の南国酒家でランチをするという。そんなメールをいただいた。


だったら、原宿から千代田線に乗り、上原まで出てこないか? 代々木公園、代々木八幡、その次が代々木上原。女性は行くという。


07/31のこと。僕は各種支払に追われ、上原で三菱、みずほ、郵貯セブンイレブンのATMをハシゴしてゼニの出し入れ。3時までに、なんとか終了して、小一時間ほど、女性を待つ。


以前、女性からファイアーキングが好きだと聞き、「じゃあ、いつか上原のファイアーキング・カフェに案内しようか」という約束があったからだ。
自宅からは京王線・笹塚までとは、ほぼ同じ距離だが、建物や歩く人種がまるで違う。スーパーのレジ袋をぶら下げて歩く人種は見かけない。また、採算を度外視した(としか思えない)洒落たカフェやバーが点在する。大人のデートスポットである。


スタバ、サンマルクなどのセルフカフェもソファでゆったり。総理が大好きなバーガーキングもサブウエイもある。セレブ仕様ではなく、松屋なか卯オリジン弁当といった庶民飲食もあるので、バランスがいい。窓口のある銀行は三菱だけで、このあたりのセレブは銀行へは行かない。銀行の方が屋敷に来るシステムになっている。


「すぐにファイアーキングカフェに行きたい」という彼女を連れ、駅徒歩一分のカフェへ。もともとは雑器のカテゴリーのファイアーキング。販促用のオマケとして配られた程度のカップ下剋上して、ファイアーキング様に栄転。カップ&ソーサーで高いものなら1万円をくだらない。
彼女、いたく感動。コーヒーもケーキも美味しかったが、ケーキセット1000円は、ほぼ雰囲気代。よくテレビで見かける中年の男性俳優さんも店にいたが、名前は知らない。


その後、上原を散策。民家を改造したレストラン、小さなホールケーキが3500円のケーキ屋。総理が4年間経営した井の頭通り沿いの24時間骨董店の跡地にはセレブビルが建ち、そこは北欧の高級食器店になっていた。馴染みのローソンでカットスイカを買い、彼女が「どこで食べるの?」と聞くので「そこらの公園で」とあてもなくこたえる。「そのスイカ、僕が、今、奥で切ったばっかり」と馴染みの店長は自慢しながら、総理の松葉杖を心配してくれる。
結局、そのスイカは公園で食されることもなく、自宅へお持ち帰りとなる。


昨年、スキルス性胃癌で亡くなられたOさんのお店は、すでに違う人が仕切り、そこそこ客がいる様子。鳴り物入りでオープンしたプロレスラー高山さんの焼き鳥屋は「7月13日をもちまして閉店しました」の張り紙が。3年持たなかったか。
ふとその建物の二階を見ると見覚えのあるロゴが・・・。「下北沢レトロコレクション」を経営していた時に、一階にあった居酒屋「虎の子」が。下北の築75年のアパートの取り壊し&立ち退きで、ここに来たのか。仕事帰りに時より立ち寄った風情ある小粋な飲み屋だったが、ここに移転とは、縁とゆかりを感じる。彼女、お酒は飲めないが、時間があれば誘ってみよう・・・なんてね。
女子プロレスラーの山田選手の居酒屋も看板が代わっていたし。スタバのコーヒーをテイクアウトした大勝軒のアニキともすれ違い、総理より年上だとばかり思っていたら、立ち話で一歳下だと聞き驚いた。
アンティーク・ビリケン「掘り出し倉庫」代々木上原はわずか4年の営業でしたが、かなりマスコミに取り上げられ、インパクトはありました。僕がいたのは週に一日程度でしたし、それももう10年も前の話。しかし、まだまだ道を歩くと知人に出くわします。彼女のお陰で、古き良き時代を堪能。彼女、散策中に豆腐屋の豆乳をゲットし、いたく感動。そういえば、笹塚の豆腐屋さんは、かなり前に廃業したな・・・。


その後、民家を改造したカフェに入り、コーヒーと手作りのドーナツ1個125円を所望。ミスタードーナッツを遥かに凌駕するクオリティーに驚き追加。特に空腹ではなかったけれど、予約なしではなかなか入れない、手打ち蕎麦の「山せみ」へ。午後6時の開店に行けばカウンター席なら予約なしでも入れる。
「お昼食べ過ぎて、まだお腹空いていない・・・何でもいい・・・」という彼女に名物の「二:八」せいろと、蕎麦の皮ごと石臼で挽いた「いなかせいろ」のセットを注文。「蕎麦を挽くときは、石臼との摩擦で起きる温度の調節が一番重要」と、埼玉拾徳さんの言葉を思い出した。
しかし、彼女、スマホを見つめたまま、息消沈。結局、「二:八」を一口食べただけで、「いなか」には手さえ付けず・・・。


いったい、彼女に何が起きたのだろう・・・