2052 香港弾丸ツアー3
まだ薄暗い早朝07:15。弾丸ツアーご一行様40名を乗せた弾丸バスはビクトリアピークを抜け、レパルスベイへ。どこをどう走ったのか全くわからない。ただただ延々とピーター・チンなる流暢な日本語を操る日本人添乗員40代の自己紹介と称する自慢話を聞かされた記憶しかない。
だが、このピーター、この道26年、香港だけで20年というキャリアだけあって、天才的なお土産セールスマンである。
「さきほど、お客さまから、お土産は何がいいかしら・・・なんていう質問がございましたので、これはみなさまが、共通して、ご興味ある部分かと思います。現にいろんな方から聞かれますので、回答を共有させていただきたいと思い、マイクを通してお応えします・・・」な〜んて、調子よく延々40〜50分に渡り、「お茶」「チョコレート」「真珠クリーム」の説明を、ジャパネットたかたのような巧みな話術で、ツアー客にお土産の摺り込み。
曰く「私は皆さまがよくご存じのウーロン者、ジャスミン茶、プーアル茶の類は説明しません。私が飲んでびっくりしたのは、このお茶なんです・・・」
曰く「ペニンシュラの高級チョコレートも悪いとはいいませんが、香港に来たぞ・・・と会社の同僚に配るには、この香港アーモンドチョコが最適です。マカダミアチョコはハワイとグアム。香港に来たら、この夜景写真つきのアーモンドチョコが最適。数もたくさん入ってますからね・・・」
曰く「もう、大評判なんです、これ。なんだかわかります?真珠のパウダー入りのクリーム。先週も日本から来たお客さんが、友達に頼まれたのよ・・・なんて大人買いされて、実は数が足りなくなっちゃったんです。これ、スッチーさんが、みんな使って、世界中で評判になっちゃったんですよ。連中はね(おっとここで失言しましたね、連中だってさ)、世界中飛び回って、一番いいものを知ってるんですよ。実はね、先月、日本のある大手化粧品会社のツアーがありましてね。ミ・キ・モ・トって聞いたことあります。そう、あの真珠のミキモトなんですけどね。あら、ウチも同じようなクリーム作ってるわ、なんてね。ミキモトが化粧品作ってる?って知ってました?あたしゃ知りませんでしたけど、そこの社員さんもウチより安いわ・・・なんて大絶賛。大きい声じゃ言えませんけどね、ミキモトさんより、こっちの方が真珠パウダーの含有量がはるかに多いんです。まとめて買うとさらにお安いですよ。でも、在庫あるかなあ・・・。ない場合は、ごめんなさいね・・・」
曰く「では、今から、注文用紙を回しますので、必要な数だけご記入ください」
弾丸ツアー初心者は景色も見ずに、ピーター・チンの巧みな話術に誘われて、「個数はどこに書けばいいんですか?」「支払いは現金のみ?」「受け渡しはどこで?」と完全にマインドコントロールされ、同室のSさんも、しっかりと高そうなお茶をいくつも購入。「ガイド」2割。「販売」8割の時間工程が格安弾丸ツアーの掟だから仕方ない。
ピーター・チンの説明による風水マンション。ビルの間の風穴は龍の通り道だとか。うん、こいつは勉強になった。
さて、「飲茶」の時間になりました。
「シューマイや饅頭は人数分しかありませんから、お一人様1個でお願いします。おいしくて2ツ食べた人がいてトラブルになったこともありますので・・・」
香港にまで来て、食べ物が足りなくてトラブルになるとは、なんともお気の毒なオハナシ。
安藤総理とアムウェイのTダイアモンドDDは、飲茶をしっかりと食べたあと、足の不具合をピーター・チンさんに申し出てトンズラ。本来、この日は、免税店お買いものツアーまで拘束され、逃げられないのが原則。その分、TダイアモンドDDは、「まくらを大人買いするから」と義理を果たすことを約束して、そのままタクシーで香港アムウェイへ。
この日の午後は、アムウェイでフル稼働。
夕食には、買い物ツアーバスに人質として置き去りにしてきたアムウェイのメンバー2名と合流し本格的な飲茶「糖朝」で夕食。ミーティングがてら、がっちり話しこみ、タクシーで帰宿。11時すぎにホテルに到着し、さらに2時間ほどロビーでミーティング。分刻みの第2日目終了。
「糖朝」のマンゴープリン。全体的に美味。値段もリーズナブル。
つづく