2103 晴ちゃんの小さな王様3
手塚治虫先生の大作「火の鳥」は、不老不死の血を求め、その血を飲めば、永遠の命を保てるという「火の鳥」を探し求めることがテーマだった。
そして、その依頼主は「楊貴妃」であり「クレオパトラ」であり「卑弥呼」であり・・・と決まって女帝であった(と思う)。
なぜ女性が「不老不死」、つまり「アンチエイジング」に関して、男より強い願望があるのか? それは、ただ単に美への欲望ばかりではなく、種の保存という本能に関して、男よりも強いホルモンが分泌されているとしか思えない。
それは、女性ホルモンの方が、より強力で優秀な遺伝子を継承したいという願望が潜在意識の中で活動していることが、近年の研究で明らかになりました。また、それは人間界だけの出来事ではなく、生命体全体に「雌」の生命力の持つメカニズムとして解明されました。
晴ちゃんの感想文の結びと合致しているようなので記しました。
晴ちゃんの感想文・・・・
いつか、小さな王様と「僕」がした、永遠の命の空想ごっこ。私は、永遠の命を持つことは、死よりも恐ろしい事だと思う。生きていることのすばらしさを忘れてしまうと思うからだ。それに、本当の永遠の命とは、自分の血が子供へ、またその子供へと受けつがれていくことだと思う。
(安総注=「永遠の命の空想ごっこ」・・・いただきのフレーズ、パクりたい。
「永遠の命を持つことは、死よりも恐ろしい事」これは「火の鳥」の結末。妖怪作家・水木しげる先生も、「永遠の生」の苦しみを、ある死ねない妖怪を通して描いていた。前日に書いた映画「THe Green Mile」で、主人公のジョンは刑務官のポールたちの手を借りれば、脱獄して死刑を免れることもできた。しかし、かれは「生きることに疲れた」と脱獄を否定し、無実の罪で自ら電気椅子に座った。無実を知りながら、ジョンを電気椅子に送ったポールは、ジョンから永遠の命をもらう。106歳になったポールは「妻も、親友も、仲間も、親しい人も愛しい人も、みんな亡くなり、今は孤独だけが残った。自分はこれらも死なないかも知れない。これは、あの時、ジョンを電気椅子に送ったことに対する、神様からの刑罰なんだよ・・・」。映画はポールの、そんな言葉で幕を閉じる。
「それに、本当の永遠の命とは、自分の血が子供へ、またその子供へと受けつがれていくことだと思う」
これが、種の保存。生命の連鎖。「輪廻転生」とは別物だが、今、安藤総理の眼に映る情報は、その元となるDNAは祖先様からのものなので、すでに他界しているおじいちゃんやばあちゃんの眼であると考える。例え、安藤総理が現世で息絶えたとしても、総理の残したDNAを通して、必ず、その見分は次世界に通信されてくるはずである。ただし、思想や行動は別物だが)
王様は、人は死んだら星になり、王様は星から生まれると言っていた。私は、王様は死んでいった人々の夢であり願いであるような気がした。人間は死んだら星になり、王様になり、死んでから永遠がはじまるみたいだった。こっちの永遠は、生き続ける永遠の命より、ずっとステキな事だと思う。
(安総注=理由なくただただ脱帽です。中学二年生恐るべし。何万冊の宗教本を読むより、千人の宗教家の説法を聴くより、晴ちゃんの感想文のクライマックスの方が十分に伝わる。クレオパトラ・卑弥呼・楊貴妃・野村沙知代・デヴィ夫人・細木数子・落合信子らにぜひ読んでいただきたい。
平原綾香さんで「jupiter」=1788年、モーツアルト作曲。交響曲第41番ハ長調。ローマ神話の天空神。木星。
ちなみに三島由紀夫の「美しい星」お勧めです。