少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

2150 大川小学校74人の叫び

「私の身体を使って、訴えたいことがあるなら、自由に使っていいよ」と語りかけたものの、やはり恐い気持ちもあります。


午前1時56分、小便で起きる。
午前3時16分、無呼吸で起きる。
問題の2時47分を意識して通過したけど、この一時間ちょっとの間は、やはり大変でした。


もうひとりの自分が、ベッドの横に立ち、うなされる自分を見つめています。
推定時刻、午前2時47分。
自分は左を下にして眠っている。循環の看護婦が足元を通る。実際はカーテンの仕切り(死切り=あちら側と)だが、鉄の扉で、監視窓があり、廊下側から歩を止めずに看護師が中を伺う。
横たわる安藤は薄目を開け、看護婦の通過を確認する。実にリアルで夢と現の区別はつきません。
ここから、大川小学校の児童たちとの交流が始まりました。


先生みたいな人が、校庭で遊んでいる児童を集め、車座にしました。車座といっても、みんな立っています。
まず、私が紹介されましたが、私は「私の話を聞く前に、まず、彼の唄を聴きましょう・・・」と言い、ある歌手を紹介しました。
名前は知りません。60歳くらいの痩せ型で浅木色のセーターを着ています。髪の毛は薄いようです。メジャーではないそうですが、あちこちの被災地で唄っているそうです。最初に唄った唄は記憶にありません。二曲目の唄は、起きた時にメモしておいたので書きます。美しいいメロディーでした。楽器はなく、小さな声でアカペラでした。聴いている子も、聴いていない子もいました。


正しかった 正しかった 君は正しかった
今も思う ここへ来て 君は正しかった
正しかった 正しかった 君は正しかった
いつも思う 何もない 何もない 今はもう何もない
何もない 何もない そしてこれからも
大地に落ちた木の枝ひとつ
もう 芽生えることはない
正しかった 正しかった 君は正しかった


一字一句間違いなく、そういう唄でした。


犠牲者の名簿・・・って閲覧できるのでしょうか?
及川夏子ちゃん・・・って3年生の子、いますかね、井上幸子ちゃんという子が探していますよ。お友達かな。
大川小学校、全生徒108人のうち、犠牲者68人、行方不明者6名、うち3年生は17名が犠牲。


名前のわからない少年からの伝言


仕方なくて 仕方なくて 仕方なくて 仕方なくて 仕方なくて
辿りついた場所
仕方なくて 仕方なくて 仕方なくて 仕方なくて 仕方なくて
流れついた 海の底
やがて 僕らは 一滴のしずくとなり 空から降りるのだろう
さまようほどに さまよえなくて
暗い朝を 明日も待つ
流されて 流されて ひとり 流されて
孤独の (ここから先は聞き取れませんでした)


ベッドのわきで、自分を見ていると、ベッドのスチール製の防護柵に両手でしがみついて震えている自分が見えます。
隣の患者が「大丈夫だから」と両手を握ってくれて落ち着きましたが、実際にはカーテンで仕切られているので、それも幻想だったのでしょう。
やはり、極端に腹が減って、寝る前に買ったカロリーメイトを食べようかと思いましたが、気分が悪くなりそうなので我慢しました。


6人部屋に8人の患者は、ただでさえ酸欠状態ですが、地獄のイビキ合奏団ですからハンパありません。安藤総理も主力メンバーです。
お隣の女性部屋は8人部屋に、たった一人の患者です。
ただし、3日前までは、他に3人の患者さんが、絶対に居ました。私は何度も見ています。だけど、看護婦は「気持ち悪いこと言わないでよ〜、ずっとお一人よですよ」と逆に気持ち悪いことを言う。


明け方の薄雲に包まれた太陽を見て思いました。1095日前に時計を戻したい。


http://memory.ever.jp/tsunami/higeki_okawa.html