2656 18歳夏、父と娘
7/29-16
おはようございます。
仮面ライダー1号ちゃん、明大1年生の夏休み。
駅前のファーストキッチンのお一人様用机付き半個室にこもり、アイスコーヒー1杯で、ずっと勉強してる姿を偶然見かけるにつけ、いよいよ他人様に見えてきます。
受験終わったのに深夜も勉強。
政経学部だけど、司法試験でも受けるおつもりでしょうか? 親父を訴える準備とか?
さて、私の18歳、1号ちゃんと同じ年夏。
長渕剛の「とんぼ」の歌詞通り、薄っぺらのボストンバッグひとつで、大垣発東京行き普通夜行電車に乗り、ひとり上京。
朝5時に東京駅に着き、皇居の芝生で仮眠。正午に早稲田大隈講堂の前で、受検の時、合格電報で知り合った、早大ケン玉研究会の山本正則さん(現在FBF)と再会。
稲穂で、タンタン麺と焼き餃子、ビールをご馳走になり、その15分後、通りすがりの毎日新聞東京新聞専売店に売り飛ばされる(明らかな人身売買)。
スポーツ新聞、専門新聞を含む新聞12種類、朝夕各400〜450部の配達。
集金及び新聞拡張業務は免除(実はウソ)で、3畳一間無料貸与。
朝夕食事付き。昼食費1日500円支給。給料として1ヶ月5000円という条件。
田舎から出てきた受験生にとって、無料で食住が確保できただけで目的達成でした。
阪神の岡田彰布さんが、まだ早稲田の選手だった時期。
勉強の合間に配達する予定が、配達の合間に予備校通い。
新聞配達店の長老・東大8浪の哲学者みたいなムロさんは、とある深夜に突然キレて、2階の窓から、大声で何かをわめきながら、部屋のすべての書物、参考書を道路に投げ捨てて、翌日、横浜からフェリーで故郷の北海道に帰った。無論、実話。
僕は・・・というと、6畳間をベニア一枚で仕切った向こう側のチョウ君が無心にオナニーにふける音が気になり、連れオナニーにならないように英単語の暗記に集中した。
同じ浪人生でも2年目のヨネちゃんは余裕かまして、彼女を連れ込み本番に励む。
その声は木造タコ部屋に響きわたり、おっぱじまると、だいたいみんな、ヨネちゃんの部屋の前に集まり、声を聞く。無論、僕も。
早稲田のラグビー部志願でした。
あと、将来の目標は、サラリーマンと役人にはならないこと。
こちらは実現しました。(とは言え、実は新聞記者もサラリーマンでした。途中で気付きました)
本当にボストンバッグひとつでの上京でした。
住所が決まってから、事前に用意した布団と段ボール2箱の参考書を母親に郵便で送ってもらいました。
本当に3畳一間からの東京スタート。今では冷蔵庫も持ってます。
人間が3人増えました、実に不思議です。
昨年夏、いよいよ生命の危機を真剣に感じたので、部屋にクーラーも導入しました。
扇風機より、はるかに涼しいです。
コブクロの風見鶏
そうですね、こんな風に思っていました。
これからもきっとそうです。
てっぺんが見えないほど高いフェンスの向こう側〜
とりあえず今日のゴハンをどうやって確保するか、まずはそこからです。
足がダメなので、もう新聞配達はできません。