2793 はまやらわ
9/28-17
きっかけは「はまやらわ」
小学生時代の帰路。
突然の雨に、建築中の新居に飛び込んだ。
新居と言っても、まだ柱と屋根と壁だけのスケルトン。
ろの列の発音が不自由な子が言った。
「これ、はまやらわだよね」
本当は「雨やどり」と言いたかったようだ。
しかし、罪なき勘違いは美しい。
「はまやらわ」が流行り、僕らはどんなに晴れていても「はまやらわ」に高じた。
建築中の家を誰かが見つけては「はまやらわ」するのだ。
学校指定の帰路は、川沿いの土手道。
すれ違うのは蛇と蛙と時々トカゲ。上空ではトンビがピーピー。
僕らは民家のある通りに帰路を無断変更した。
子供の好奇心はエスカレートする。
菓子を持ち込み、基地がわりにした。
そして寒い日には焚き火をした。
これがいけなかった。
ひとの家で焚き火はけしからんと、大人に叱られた。
「垣根の垣根の曲がり角」で焚き火するという歌を習った。
大人は勝手だ。
ろ列の不自由な子が言った。
「テッコンキンクリートの家なら燃えないのにな」
悪意のない勘違いは芸術だ。
彼のあだ名は
「はまやらわ」から「テッコンキンクリート」になった。
コメント
トヨジさん 「そんな奴ぁ居らんだらぁ(爆)😆」