少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

2897 ささくれ警備員

12/9-17

掃除のおばちゃん話5(番外) 

もう、洒落にならないレベルだから病院名晒します。

一昨日のこと、夜8時過ぎ。
一応、見舞い時間は14〜20時だけど、ユルユルとのことで昼間はいいけど、閉院後は警備員のいる通用口を通る。で、この警備員の態度がすこぶる悪い。

たまたま知り合いが仕事帰りに見舞いに寄ってくれるとのことで一階まで出迎えに行く。

しかし、はじめて故、道を間違え、20時に5分ほど間に合わず、まずそこで一悶着。まあ、それはいい。役人みたいな警備員が職務遂行、融通の効かないマジメさんということで、20時を過ぎた側に非がないわけでもないが、院内のユルユルと大きなギャップに違和感あり。

ここまではいい。問題はその先です。

 

電気消され、暗い一階ロビーで見舞いのブラック缶コーシーをすすっていると、小さな子を抱っこしたお母さんが、「あ〜やっちゃった〜」と叫び、その子に「ここで待ってて」と、暗いロビーにひとり置き去りにして件の警備室にダッシュ

「すみません〜子供がそこで吐いてしまいまして〜」と申し訳なさそうに窓口で言うと、先ほどの無礼な警備員30代の若造が部屋から出てきて
「そんなもん、ここじゃない、救急に行って救急、地下地下」とすごい剣幕で怒鳴り、一瞬、何ごとかビックリ。

怒鳴られたお母さんは「はい、すみませんでした」と謝り、子供を置き去りにして走り出した。
一部始終を目撃した知人は「なに、あの野郎」と警備員に怒り心頭、当然、私も。

だけど、病院と揉めたくない。

 

で、とりあえず置き去りにされた子のところへ行く。

暗いので男の子か女の子か判別つかず、近くまで行くと坊やと判明。
かなりの量を吐いたみたいだ。自分のゲロを前にして心細く立ち尽くす坊や。

まだ少年ではない、未就学児。

「ボク、大丈夫か?こっちおいで」と言ってロビーの椅子に座らせる。

暗いので服が汚れているかはわからない。インフルの恐れもあるので容易に触れない。
「お腹痛くないか?」と聞くとクビを横に振る。

「ママ来るまでおじさんと待ってような」と言うと無言で頷いた。

 

それにしてもあの警備員。

 

ママが消えて10分くらいかな、坊やにとってはどれくらいに感じたのだろう。
やがてママが看護婦を連れて小走りにやって来る。
ママを見て坊やの緊張感が解けた安らかな顔を見た。
ママは我々に深々とお辞儀をした。

それにしてもあの野郎。

 

今度はあの警備員が我々に向かって言った。
「いい加減にしてください、もう面会時間過ぎてます。何度も言わせない!」
ムカ〜、クソ若造が〜。

知人、怒り心頭。
こっちが諌める。まあまあまあ。

「明日、絶対に病院にクレーム入れてやる」
知人激怒で警備員の名前チェックして帰る、時刻は8:20前後。
面会時間を過ぎたのは悪いけど、まだちらほら出入りしている人もいる。

まあ、我々はどうでもいい、問題なのはお母さんに対するあり得ない対応だ。

ここは病院、それも時間外なら警備員の職務の範疇。

「そんなもん、ここじゃない」って、お前、ここ病院だぞ。すぐに看護婦呼べや!

 

翌日(つまり昨日)、午後に婦長が謝りに来た。
「なんか昨夜はご迷惑をおかけしたみたいで・・・」
後で見るとCメールが来てた。

「病院に電話してやった。防犯カメラで一部始終を見ろって」と。
「いやいや、僕らは別にいいんですけど、あれじゃお母さんと坊やが気の毒で。

具合悪くて病院に来たのに『ここじゃない』って、んじゃどこだってことですよね。病院じゃなく警備会社の人間だとしても、夜間は病院のカオですから、病院の評判落ちますよね(まあすでに評判悪いので、今更ですけど〜は心の中で言ってあげた)」

だけど懸念もある。

 

3年前、年下の友人が自殺した。
荻窪病院の警備員だった。この病院も評判悪い。
友人は、長く不規則かつメチャクチャな勤務ローテから帰宅。自宅で昼食を取り「少し寝る」と奥さんに告げたあと、寝室の鴨居に紐をかけた。
遺書があった。
「病院と警備会社を訴えろ」
なぐり書きだった。

そんな経験から、件の警備員の態度がダブった。
に、しても親子に対する態度は完全にアウト。
知人は電話で病院にこうも言ったそうだ。
「今、世の中には働きたい人が沢山いる。どんな事情があるにせよ、困って助けを求めてる弱い立場の人間に対してあの対応はあり得ない。もっと適任者を探すべき」
激しく同意だ。

知人が言う。
「お母さん、優しそうな人で、すみませんすみませんて警備員に謝ってたけど、あそこはキレてもいい場面。いや、キレた方がいい場面だったと思う」
それより坊やのことで、頭がいっぱいだったんだろう。

ささくれ、すさみ、ココロという臓器も傷つき傷つけられ。

されど、その在りがどこなのか、気づくことができれば、移植せずも回復する。