3121 高田瞽女さん
「瞽女さんに、やるのでなかった、やるのでなかった」キクちゃんのお母さんは声にならぬ声で土手の土を掻きむしった。
医者の誤診で3歳の娘を失明させた母親が、やむなく幼いキクちゃんを高田の瞽女さんに出す、やむなくだ。幼いキクちゃんは体力もなく長旅について行けず、何度も転び「お母ちゃん助けて、お母ちゃん助けて」と土に顔を埋めて叫び泣く。
しかし、周りの瞽女さんは一切手を貸さない。キクちゃんのためだ。乗り越えなければ生きていけない。
雪の中、山道、あぜ道、重い荷物を背負い三味を抱えて村から村へ、食うためだ。
途中の丸太橋でキクちゃんは足を滑らせて転落した。助けようにも、誰も目が見えない。キクちゃんは流されて、下流の村で腐乱状態で発見された。
「ひとりの人間がある時期に何かをひたむきに信じ、闇の中の灯明かりのようなものを求めて、旅をして歩いたという過程をそのままにしておきたかった」という著者の意向から活字ではなく筆記のままの暖かい文章。
されど、文字が細かく虫眼鏡での深夜2時間の読書は目に負担。アイスノンで冷やしながらもやめられない。この6月に高田へ行き、偶然だが高田瞽女保護会の人々とお会いできました。中国占星術の大御所、佐藤六龍先生の遺蔵の瞽女本を譲り受けたのと、表現者Jinmoさんから高橋竹山先生の逸話を聞いたのがきっかけです。キクちゃんは北島忠治先生の生地、東頸城郡安塚村にも行かれた見たいです。
平和が無償、五体満足が当たり前だとくれぐれも思わぬようにしたいですね。下北沢で購入1000円。