少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

4202 日大アメフト2

5/23/18

FBFのみなさま、こんにちは。
日大アメフト問題の続編です。スポーツ専門なので書きますね。

ドラゴンカープさんからの新しいラインです。
「昨日の会見を見て内田監督は多分カリスマ性があり、オームの麻原と同じようなものではないかと思いました。今の状況を見ているとアメフト部員だけでなく日大全体がマインドコントロールされているようなもので、当然一部の部員や大学関係者のまともな人間は今の状況はまずいと感じている。その中で男気のある加害選手が行動を起こしたと思いたいです。それにしても他の部員や現状に不満を思っている大学関係者から彼を守るような意見がもっと出てこないのはどうかと思います。もし、今回の問題が起きてなければ日大の今の状況が続いていたと思うとやはり自分は彼は罪の軽減があって当然ではと思ってしまいます」

ドラゴンカープさんのお気持ちは、おそらくほとんどの方が同じように感じられていることだと思います。

以下は日大広報が出した文書によるコメントです。

「会見全体において、監督が違反プレーを指示したという発言はありませんでしたが、コーチから「1プレー目で(相手の)QBをつぶせ」という言葉があったということは事実です。ただ、これは本学フットボール部においてゲーム前によく使う言葉で『最初のプレーから思い切って当たれ』という意味です。誤解を招いたとすれば、言葉足らずであったと心苦しく思います」

安藤裏総理の見解。

簡単な内容ではありません。

まずは彼がやったクオーターバックサック。これはディフェンスプレーの華、野球で言えば満塁ホームラン、ラグビーなら5人抜きのトライといった感じでしょう。
もちろん前提としてルールの範疇でです、当たり前ですけど。

そもそもアメフトは攻撃選手と同じくらい、あるいはそれ以上に防御選手にも人気がある競技です。ですから攻撃の起点であり中心であるQBを潰しにかかるのは王道で、それ自体は当たり前です。怪我を負わせるとかのレベルではなくて、本当に殺しに行くくらいの気持ちで行かなくてはサックは不可能です。

ですから、攻撃陣の中にも、QBを守るためにオフェンスタックル(OT)、オフェンスガード(OG)、センター(C)の防御陣がいます。そんな頑強なガードを突破しなければQBに触れることすらできません。NFLになるとオフェンスライン(OT、OG、Cの総称)は、190~200cm、120~150㎏位の体格です。これは力士と互角。別稿で書きましたが、朝青龍白鵬日馬富士以上の選手がガードするわけですから、NFLの選手はプロスポーツの中で収入は頂点に立つのです。その鉄のガードを突破して攻撃の起点を潰すのですから得点したのと同等の評価を受けてしかるべきでしょう。

日大が言う「1プレー目で(相手の)QBをつぶせ」とはそう言う意味だと、私は普通に捉えます。
ただし、「怪我をさせろ」云々のくだりは別です。

次です。
「会見全体において、監督が違反プレーを指示したという発言はありませんでした」
(日大広報)
そうですね、ここが最大のポイントであると思います。
ラグビー同様、もしくはそれ以上にアメフトは大怪我、最悪は死に繋がるスポーツです。相手に敬意を払うのはゲーム以前の問題で、プレーの経験者なら誰でもわかるし、プレーと関係のない部分で故意に相手プレーヤーに負傷を負わせることは考えられません。

ですから、私はここの部分において、「つぶして来い」の前に「反則を犯してでも」と言う文言、あるいは明らかな提示があったか否かで、それが「命令、指示」であったのか、あるいは「過激なゲキ」の範疇であったかの分岐だと思います。

宮川選手の会見を聞き限り「命令」「指示」の印象を多分に受けますが、断定するのは、まだ尚早かとも思います。

あと、何も取材していないレポーターの質問ですが、監督と選手のコミュニケーションの問題ですが、そもそもアメフトって何人でやるスポーツか、わかってて会見に来たレポーター、記者がいったい何人いるのか?ということ。

答えは11人対11人。たくさんいるように見えますが、実はラグビーよりぜんぜん少ない。なぜたくさんいるように見えるかというと、フィールドの外に、それこそ100人くらい、ぞろぞろいるからです。

記者の選手と監督とのコミュニケーション云々のくだりに対する日大の回答。
「宮川選手が会見で話された通り、本人と監督は話す機会がほとんどない状況でありました。宮川選手と監督・コーチとのコミュニケーションが不足していたことにつきまして、反省いたしております」

アメフトは野球、ラグビー、サッカーと違い、選手の入れ替えが自由で、同じ選手が何回も出入り自由です。しかも、同じ番号をつけた選手が同じチームに複数いても、同時にグラウンドに出ていなければいいというアバウトな規定。番号は1〜99といルールですので部員が100人を越すチームは1番が3人いてもOKということです。ちなみに日大はHPでは選手99人でしたが、多分、番号のない選手がもっといると思われます。

毎年毎年入れ替わる選手を監督が直接、ひとりひとり管理するには限界があります。もちろん帝京大ラグビー部の岩出監督ようにやられているところもありますが、それは学校側の最大の協力が不可欠です。そのために日大は13人ものコーチを揃えています。選手10人に対してコーチ1人は理想です。宮川選手が監督とコミュニケーションがないのは、そんなに理解できないことではありません。

出場選手枠ですが、ちなみにNFLは現在46人です。映画「コンカッション(脳震盪)」を見ればどれほど過酷なスポーツかわかります。

ちなみにアメフト部がある高校は日本全土で112校。うち日大系が6校。
地域別では東京67校、大阪17、兵庫10、京都4、横浜4、広島2、その他。部はあるけど、部員のいない絶滅危惧部はアメフトに限らず、各地に数多。

ちなみにラグビー部は全国813校、少な〜(涙)しかも2010年のデータ。多分もう800はないでしょう。新しくチームを作るなんてのも聞かないし。

硬式野球部は3839校。これは昨年の夏。一時は4000校を超えていましたけど、少子化だけが理由でしょうか?先日の金沢の高校。「ボールが頭に当たったら死ぬぞ」と事実を言った監督が首では、誰も関わりたくなくなる時代、中年の蹉跌。

で、安藤裏総理の結論ですが、以下は事件翌日の5/15に私がFBに投稿したものです。

NFLなら、間違いなく永久追放かつ何十億単位の損害訴訟の対象になる悪質な傷害罪。もはやスポーツではない範疇。NFLプレーヤーの平均選手寿命は4.5年。映画「コンカッション」を観れば、どれだけ命懸けのスポーツかわかる。日大は3試合停止とか、そんなレベルでええの?関西学院大の選手、全治3週間とかいってるけど、もっと重症だと思うよ。日大の過去の栄光に泥。やっていいこととアカンことがある、スポーツマンとしてではなくヒトとして」

これは監督とコーチに対してではなく、やってはいけないことをやってしまった宮川選手に対してです。「殺せ」と指示されたら「殺す」のか?
殺さないでしょう。でも彼はやった。

冒頭のドラゴンカープ斎藤さんからのコメント「オームの麻原の洗脳」
それも可能性として大いにあるかも知れない。
だとしたら、オームの時にように実行犯もアウト。宮川選手を個人攻撃するつもりはないけど、やっぱ、あれはイカンだろう。

本日もついてます、感謝(患者)してます。

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コメント

イクヨ「いろんな人が、いろんなこと言ってます。私もいろんな人にコメントしてます。
でも専門家の詳しい事情がわかるのはスポーツ記者の安藤さんならではの切り口です。シェアします」

ミツル「被害者側が早期に刑事告訴し真実が明らかにされることを望みます。今、TV(井上&内田の会見)、見てますが??あいつら(井上&内田)、ムカつく!!ヽ(`Д´)ノ」

タケタニさん「分かりやすい解説ありがとうございます。日大のアンタッチャブルな面を関係者自ら明らかにし改善して欲しいです」

マキちゃん「私はアメフトのルールはよく知りませんが、今回のこの試合での違反プレーは誰が観ても酷いです(T_T)そもそも野蛮な言葉遣いにも問題があります。「たたみかけろ」とか「追い込め」ならわかります。でも「潰せ」は誰が聞いても過激な指示。日大側は危害を加えた選手に対して、全て「受け取り方の違い」にしているように見えます。それから監督側の記者会見、言い訳はいいですから、早く法廷の場で、解決してほしいです」

カマタさん「松下さん、お邪魔します。「潰せ」たしかに野蛮ですが、小学生のサッカーでも使われています。(勿論、全部のコーチがその言葉で指示するわけではありませんが・・・)
ただ確かに日大の弁明のように「攻撃の芽を摘め」という意味で使われているので言い逃れができますね。うちの息子がやっていた学校では、逆にアフターのファールをする選手には、ものすごく怒っていました。そしてしばらく試合に出しません。
同じ日にジュビロ磐田の選手がひどいファールをしたので、名波監督は、その選手を解雇しました。
僕には全部ひっくるめてみんなどうかしてるとしかみえません。
その中で、自分がしてしまった過ちを素直に認めて、謝罪をしたのが、20歳の青年だけ。大人たちもしっかりしてくれよ、教育者だろうと言いたいです」

ミユキ姐「毎年のようにルールが変わるんだよね」