少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

6053 ドングリ探検隊

5/1/17

横たわる男の下着は、静かに下方へとずらされた。
夕闇迫る薄暮の刻なら、それも良かろう、ロマンに続く。
しかし、朝陽降りそそぐ新しい生命の誕生の空間、特別休暇、金の週でなければ、家庭の台所にまだ味噌汁のかおりが漂い、削り節の残り香の中を泳ぎ、お父さんは靴ベラで革靴を履き、かかとを踏んだズック靴の坊やは、それをお母さんに咎められ、商魂逞しいカラフル色の天使の羽根とやらを背負い、元気に駆けてく月曜日、午前8時。
朝食の片付けはあとに回し、とりあえずNHKにチャンネルを合わせ「おはなはん」に相槌をうち、エプロンの袖でベソを拭く、お母さんの日課
五月晴れの天空には広島東洋のシンボルがはためき、届くはずのない短い手をタマが必死に伸ばす。猫に遠近感がないことを猫は知らない。

男は無抵抗の尻を、美しき白衣に委ねる。澄んだ眼は蒼い瞳のエリスだろうか、マスクが邪魔だ。「どんなに哀しいことも、私に教えて」と玉置浩二が唄うので、男はエリスに痛みを教えた。
耐え難い痛み、三たび男を襲う。隣のオサーンはジンマシンの痒みと蜂窩織炎の傷みで一晩中うなされてた。唸り声も明け方には弱々しくなり、今ではほとんど虫の息、もう長くはないのだろう。

男の墓標には「稀代の変態野郎」と刻まれ、前世の死因は「Hなことをやりすぎて」とあった。男のDropboxに前世の記録がファイルされていたし、DNA鑑定でも一致した。男は俺ではない、と否定できなかった。

エリスは静かに手袋を嵌めた。指紋を消す作業である。
「やられる」男は直感した。
エリスが男の耳もとで囁く「怖がらなくていいのよ」
「やさしくしてもらえますか」男が懇願する。
「それはムリ」エリスが微笑む。

あれは新宿二丁目裏通り。
名前は確か「アリス」という名前のお店。
日刊ゲンダイのモーホー野郎に連れていかれた。
なんと煌びやか、香水のブレンド臭と、ミニスカポリス、胸はクビだけワンポイントで隠され、華奢な娘が男の膝に座る。
「安藤さん(仮名)全員オトコですから気をつけてくださいね」のモーホー警告にオッパッピー登場で「そんなのカンケーねえx2」

あの膝の上の彼女、イヤ彼氏の名前は確かエリス。そうだ、アリスのエリス。男は次回、気付くと指名していた。数回行くうちに同行したゲンダイの変態カメラマンが御不浄から出て来るや「安藤さん(仮名)エリスちゃんがトイレで泣いてるよ、安藤さん(仮名)に冷たくされたって」その下りは記憶にあるが冷たくした理由は定かではない。他のミニスカポリスの脚でも触っていたか?

そういえば、エリスはいつも、ポリスか看護師のコスプレだった。な〜る、ではあるが、あな〜る、ではない念のために。
そうか、エリス、昼間はここでバイトでしたか。

男が走馬灯にまどろむ中、
エリスときたらドングリを取り出して、六ヶ所ある男の鍾乳洞のひとつに、ドングリ探検隊を挿入。
男は半痛、半快、半バナナの感覚で墜ちる。
船木誠勝が復活戦で桜庭和志にスリーパーホールドで白目を剥きながら絞め落とされた時とは全く違う快感。
お母さんの味噌汁の中に、すっと吸収される茄子のような、素直で自然の快楽にも似た安堵。

やがてドングリ探検隊が痛んだ箇所を修繕。「これで6時間はもつわよ」エリスの声が遠くで聞こえた。
身体のある部分を取りたいの。300万円貯めてタイに行くの。
男に男の夢を語ったあの夜のエリス。300万円貯まったのだろうか?今はそれしか頭にない。