6282 大阪の宿
6/27/20
シネマチャレンジ勝手に22日目です。
当方コレクター故、ビデオ300〜400本、DVDはドラマを含めれば500枚以上保有です。
『シンドラーのリスト』『ディアハンター』『プライベートライアン』『バンド オブ ブラザーズ』『ミッドナイトエクスプレス』『グリーンマイル』『トゥルーマンショー』『ブルースブラザーズ』『レナードの朝』『おくりびと』『0・5ミリ』『スワロウテイル』『エレファントマン』『チルソクの夏』『セルピコ』『キリング フィールド』『冬の小鳥』『血と骨』『善き人のためのソナタ』『闇の子供たち』『K2 愛と友情のザイル』に続く22作目は『大阪の宿』です。
上司をぶん殴り、東京から大阪へ左遷された主人公の三田(佐野周ニ)は正義感が強く、モラリストでロマンチスト。人間を信じることこそが、人生の基盤であり、だからこそ裏切られた時の反動が人一倍に強い。大阪でも、上司に裏切られ、逆恨みした上司に煙たがられ、突然、東京へ戻ることになる。
大阪での下宿先となった旅館「酔月荘」での人間模様が描かれた作品。女中、やり手ババア、金貸し、貧困から身を売る若い針縫い、そして三田に想いを寄せる芸者(乙羽信子)、通勤途中にすれ違うOLたちの現実と葛藤、「生きる」とは。
数人で開かれた三田の送別会で、すき焼き鍋を囲みながら三田が語る。
『今こうして、いろんな人たちと、ひとつ鍋をつつきあってる。僕もその中のひとりだ。そこに、深い繋がりを感じていることを嬉しく思う。人間相互の信頼感を強く感じる。ただ、残念なことは、僕たちはみんな、お義理にも幸福だとは言えない。でも、頼もしいじゃないか❗️僕たちはみんな自分の不幸を笑いあえるんだ。この笑いこそ、新しい生活のチカラにしないとダメなんだ‼️」
いいでしょう!
ひとつ鍋をみんなでつつく。
いつのころから、「採り箸」というマナーがうまれ、親近感が尺度化され、食(鍋)を囲むにも気をつかい、それぞれが本音を腹にしまい、挙句は腐食して黒に染まる。友人同士、恋人同士、家族同士まで疑心と暗鬼に征服される。増してやコロナ。
「人間はどうしてカネ、カネ、カネなんだ!」清廉な主人公の言葉だが60年前も今も、風景が変わっただけで、人の悩みは進化も退化もしていない。増してやスーパーコンピュータ。計算の速度は増したとしても、人の悩み、信頼関係という絆を解決する機械でなければ、興味はない。
1954年制作。「煙突の見える場所」の五所平之助監督作品。原作は水上滝太郎。 音楽は団伊玖磨と芥川也寸志。クライマックスは前作を意識したようなタッチで実にノスタルジーを感じさせる。我々の年代は妙に煙突に対する愛着があり、東京で銭湯や工場が消滅するたびに、身体の一部がもがれる思いがします。
玉置浩二の「カリント工場の煙突の上に」と歌をご存知だろうか?そんなノスタルジーが凝縮されている。10年ほど前に、新安城で開業した「レトロカフェ・ビリケン」の看板は、デザイナーのコシェル・小笠原さんに、背景に町工場の煙突を描いていただきました。
#三日間シネマチャレンジ #映画大好き
少数派日記21