少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

6311 墜落遺体 飯塚訓

7/4/21

fa30y(7/4/21) 6:24起床 w937

 午前7:20過ぎ、東京都議会選の投票へ行く。内容は別途で書きました。
その後、ウルトラ警備隊。こちらも別途で記載。今日は雨で緑人間は現れず、車中で読書の一日。

『墜落遺体』(飯塚訓)

「私は、愛する肉親を失った数千人の遺族の究極の悲しみの場に立ち会った」(本文より)

 著者の飯塚さんは、墜落事故で、死体と遺族に向き合った警察の最高責任者である。事件に関しては様々な書籍が刊行されているが、遺体の検視という目線で
捉えられたのは本書だけである。
 生々しいリアルな描写とご遺族や現場の部下らとのやりとりには、その場にいた人しかわからない異様な雰囲気が十分に伝わってくる。
 あの日から今年で36年が過ぎ、この事件を経験した社員はもう全日空全社員のわずか5%もいないという現実に、風化させてはいけない。

 警官という職業柄、記録的な書き方だが、その分、余計に混乱ぶりや凄惨さが伝わる。不眠不休の作業に当たり、警察官や医師達ですら、疲労によって精神的にも正常でなくなってしまう様子まで書かれている。そして、それぞれの遺族から垣間見える遺体に対する思いや、いたわり、あるいは宗教観にも言及され、極限の現場が、的確に描写されている。

 ご遺体の異臭、猛暑の中の揚げ物中心の弁当、白米がウジ虫に見えて喉を通らない隊員、首から千切れた少女の頭を抱きしめる著者、指がないと天国で箸が持てない、と息子の指の骨を探す老いた両親、息子の魂だけ連れて帰りますと、礼を述べ帰国した韓国人の父親、欧米人の死生観、頭がひとつ、動体が二人分という奇怪なご遺体などなど、もう20年以上も前に読んだ書なのに、強烈に映像として脳裏に深く記憶されている。

 もう一度読み返す勇気はない。怒り、悲しみ、恐怖、憤り、そういった感情よりも、ご遺体に湧いたウジ虫のくだりは、普通に今、思い出しても、茶碗の白米を前に連想してしまう。

 藤岡市内の三ヶ所の体育館で行われた壮絶な身元確認作業、47日間の実録。現実という逃れられない悲劇。

 本日もついてます 感謝してます。

少数派日記21

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