少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

234  喫茶店設立状況8

メニューの続き。
影のオーナーである80歳の母親が「抹茶と和菓子」を出したいという。これは僕も同じ考えだったので「いいねえ」と合意。抹茶茶碗も数点あるので、新しく用意する必要もないし。
で、次に「かき氷」と言う。前から何度も言われていたが、聞こえないふりをしてスルーしてきた。傍から見ていると簡単そうに見えるかき氷だが、機械の手入れと専用の氷の仕入れ、保存場所など考えると素人が思うほど簡単な作業ではない。シロップやアズキ、アイスクリームなどもそれなりに用意しなければならない。メニューにあれば、夏場はそれなりに出るだろう。しかし、冷凍庫から氷を出し、機械にセットして盛り付け、また氷を仕舞うという工程と時間を考えると、店側にはメリットよりリスクの方が大きい。かき氷を注文されるより、アイスコーヒーを飲んでもらった方が、時間効率も利益率もはるかにいいのです。そんな説明をして、ここは念願の「かき氷」は割愛させていただきました。
そうこうしているうちに、母親はお茶屋から茶せんを仕入れてきました。自分で選んだわけではなく、いつも購入している西尾のお茶屋に電話で注文したらしく「高いもんなんだね〜」と僕に見せましたが、僕の知っている問屋で買えば3本は買えるくらいの金額。まっ影のオーナーだから仕方ないか・・・。
それはまあよしとして困ったことがひとつ。家にある湯のみ茶碗を店で使え、というので、何に使うのか?と問うと食事の時に日本茶を出すためだ・・・という。ランチには珈琲か紅茶がつくので日本茶はいらないと言うと「年寄りは日本茶の方が有難い」と言う。
食堂ならお茶はつきものだけど、ウチは珈琲屋だから、ただのお茶は出せない。ただのお茶を飲まれては珈琲が売れなくなるから、ただの飲み物は水だけだ、と説明するも「それでもお茶が欲しいというお客さんにはどうする」と言うので「そう言う人には、ウチは珈琲屋なので日本茶は自宅に帰って飲んでください・・・って言うしかないんじゃないの」と切れ気味に僕が言うと「あんたの考えは私にはようわからん」と言われました。
「実際、ランチに日本茶を振る舞う喫茶店ってあるのかな?」僕がそう言うと「そりゃああるでしょう」と影のオーナーは言うけどどうだろうか?日本茶だってただじゃない、仕入れにお金がかかるのだ。特に母親はやや高級なお茶を飲んでるみたいで、それを振る舞うつもりだったようだ。
お茶だって、銘柄を選ぶ工程からはじまり、仕入れ作業と入金作業、急須に茶葉を入れる、お湯を沸かす(燃料費)、お客さんに入れて出す(こぼした時、ヤケドさせる危険性がゼロとは言えない)、お茶がらを捨てる(有料ゴミ)、どのタイミングで茶葉を入れ替えるのか、湯のみを洗う(手間)、湯のみの破損etcとざっと考えただけでも、これだけの工程をすべてサービス(無料)でやったとして、どれだけのお客がそのありがたみを理解してくれるだろうか?ごく当たり前の感覚として何も感じないだけでなく、水分を十分に補給したのだから、飲み物はもういらないわ・・・となるのである。
「あんたが何も言わないから、お茶たくさん買っちゃったじゃないのよ」と切れ気味の母。そう言われてもねえ・・・。
たぶん母が買った日本茶は小売なので、僕が仕入れる珈琲豆の原価よりはるかに高額だと思います。これは想定外の出来事でした。