少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

378  喫茶店設立状況21

午前の作業中、神谷がく安城市長の街頭演説が、喫茶店の前のイト―ヨーカドーの歩道で始まった。約40分間の長い演説。聴衆者ゼロ。いや、たった一名。それは僕だ。最初から最後まで、市長の背中(後ろ側)で聞いていた。
無人の聴衆の前で40分も熱く語る人間を僕は始めて見た。
なかなかいいことを言う。熱意は十分に伝わった。しかし、一市長の努力では、もうどうにもならないほど、日本は疲弊し、景気回復の兆しどころか、さらなる不況へのスパイラルがすでに始まっている。
母親は「私は毎日、株の動きを見ている。景気は少しずつ良くなる。勘だけどそう思う」というが、それは希望であって現状ではない。実際に商売をしている人は、その規模にかかわらず、どうにもならない危機が迫っていることを肌で感じているはずだ。明日が読めない。5年先はどこにいるのか、日本がどこに向かうのかすら読めない状況なのだ。
本日午後、知立高校時代の同級生の古橋が豊明から来てくれた。パソコンでメニューの印刷を頼んでいる。この「少数派日記」も第一話からプリントアウトして店に置こうと思う。店で流すBGMの相談もした。
古橋は大学時代の4年間、本格的な喫茶店でバイトをしていたのでコーヒーの入れ方もレクチャーしてもらう予定だ。
ところで、大阪のアパレル女帝というおばちゃんが銀行の借金300億円を踏み倒したとか、週刊新潮に出ていた。実は中国のアパレル業界では2〜3年ほど前から、その噂は広がっていた。
「しかし、銀行というやつはヒドイな。そんな海千山千に億単位の金を貸し付けて、我々小市民には一銭も貸してくれん。でもって住宅ローンの取り立てはヤクザなみに脅してくる」
僕は某信用金庫の支店長の古橋にそう言ってやった。
「銀行っちゃそんなもんだよ」
古橋は静かにそう応えた。もうそれ以上、何も言えなかった。
僕らはノンアルコールビールを飲んで、「ハア」とため息をついた。