少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

227  誤審と誤采配の逃完全試合

本当はものすごく悔しかったと思う、逃した獲物は大きすぎ、彼らの今後の野球人生で、恐らく二度と廻って来ない千載一遇のチャンスだった。
6月2日、デトロイトで行われたメジャーリーグのタイガースVSインディアンス戦でのこと。ベネズエラ生まれの28歳、アルマンド・ガララーガは27人目の打者を一塁ゴロに仕留め、自らベースカバーに入り、誰もがメジャー史上21人目の完全試合を確信した。
ところが、ワールドシリーズ2度の経験を持つ54歳のベテラン審判はセーフと判定。ビデオ判定でも明らかな誤審だが、記録上は内野安打で28歳投手の完全試合も準完全試合も一瞬にして吹っ飛んだ。
永い永いメジャーの歴史の中でもまだ20人しか記録されていない偉大な業績。その28歳の名が球史に永遠に刻まれるはずだった。
「誰にも完璧はない。みんな人間なんだ」と28歳は54歳の誤審をかばい「彼こそ真のスポーツマンだ」と人々から賞賛され、車の街、デトロイトの企業から新車もプレゼントされた。
スポンサーの気持ちは有難いと思うが、逃したパーフェクトゲームと新車一台が引き替えでは、砂漠に落とした一滴の水くらいの格差だろう。
28歳は「ビデオを20回も見たが完全にアウト。記録は逃したけど、息子が大きくなったらこのビデオを見せることにするよ」と精一杯の悔しい本音を漏らした。
しかし、これは意図的な誤審ではない。「あきらかに私のミスジャッジ。彼には本当にすまないことをした」と54歳は涙を拭きながら翌日のグラウンドで28歳に謝罪した。
遡ること2007年、ナゴヤドームの中日VS西武戦。中日が53年ぶりの日本一に大手をかけた日本シリーズ第5戦、11月1日。
24人の打者を連続でアウトに抑え、四死球ゼロ。つまりひとりの走者も出していない、ドラフト6位入団、一軍半の29歳(当時)がマウンドにいた。山井大介だ。中日ファンなら知っている顔だが、恐らく西武ファンには「誰だこいつ」くらいの投手。まさかまさかの完全試合まであと3人。ドラゴンズの日本一より、日本一決定戦での完全試合に日本中が注目した。
ところが、最終回、落合という外道監督が、好投山井を降板させ、岩瀬をリリーフに出した。
29歳の一軍半投手、少年野球時代を含め、彼の野球人生の中で今後を含め、間違いなく頂点の日だったはずだ。
これは54歳の悪意の無い誤審とは違う。意図的な53歳外道監督(当時)の采配である。悪意に満ちた交代劇だと憤慨するのは少数派の僕だけではなかろう。29歳の一軍半投手が不満を口にすれば首脳陣批判としてほぼ間違いなく「クビ」が飛ぶ。そんな世界だ。
アメリカでは誤審で完全試合が吹っ飛び、スズメの涙だけれど新車をもらったガララーガという28歳がいる。名古屋には完全試合を味方の上司に略奪された山井祐介29歳がいた。
アメリカでは「誤審だった、すまない」と涙を流した54歳審判がいる。名古屋には若者とファンの期待と球界全体の希望を摘み取って踏みつけてさらにツバまで吐きつけた53歳外道監督がいる。そんなことを忘れないでもらいたい。山井の呪いを風化させてはならない。野球ファン、ドラゴンズファンの僕の気持です。