少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

3247 自販機悲哀物語

2/17-18

FBFのみなさま、おはようございます。
今朝はお気に入りの缶コーシーが売り切れでした。

飢えをしのぐために、一時期、自販機に缶コーシーを入れるバイトをしたことがあります。

日給8000円、交通費自腹。
あれ、簡単そうに見えて、けっこう複雑で、しかも生命の危険を伴うのです。

大手飲料メーカーのトラックの助手になるのですが、だいたい一台につき40種〜50種の飲料が積まれています。
まずは倉庫集合でコンピュータで弾かれた数量のケースを調達して、自分が乗るトラックの前に運ぶ。それを運転手がルート順にトラックに積む。

どこに何があるのか覚えるのがまずたいへん。

積み終わると毎日毎日、同じルートを回る。
運転手が自販機を開け、ピピピッと操作すると欠品の数が表示され、運転手がお金を回収してる間に、私が欠品分の商品をトラックから出し、カゴに入れる。

スピードが大事で、モタつくと歳下の運ちゃんに怒鳴られる。

実際、自販機に入れるのは運転手。ここは間違いがあってはならないのでバイトには任せない。
そして、空きカン空き瓶の回収もバイトの仕事。時間がないので仕分けはしない。

デカいビニル袋にぶち込み、トラックの屋根の専用台に乗せる。

基本、休憩はないので、昼メシは車内でコンビニ弁当。これ、飲料メーカーの運ちゃんはまだマシ。

佐川急便さんの運転手は昼食食べてたら絶対に配達しきれない。常に走り続けてた。

飲み物もトイレに行く時間がないから、と飲むことはなかった。

ビルの中にある自販機への納入は冷暖房が効いていて天国だった。

國學院大学にも納入していた。学生たちが眩しく見えた。
聞けば運ちゃん、青山学院を出ているという。姉さんのダンナさんは医者だそうだ。

僕がいつも、助手席で待機の時間に医療関係の本ばかり読んでいるので、そんな身の上話になった。

「失礼に聞こえたら申し訳ないけど、青学出て、どうして自販機の配達人?」
「実は・・・」と青年は歳上のアルバイトに吐露する。
「僕は、本当は、製品の開発とかパッケージのデザインに興味がありまして、入社したんです。ですから、希望して入社した会社なんですけど、最初は配達からと言われて・・・。毎年、配置希望願いは出しているのですけれど」
青年と言っても、もう二十代ではあるまい。立ち入った事情を聞いた。

22で大学を出て、もう12年も自販機巡りをしているという。34歳か〜。

学生時代の彼女と結婚して幼子もいる。

大手だから収入は安定しているとはいえ、自販機巡りでは自身の才能とキャリアが活かせないと悩む。もっともな道理である。

もの静かな知的そうな青年だ。だからいいように使われているのかも知れない。

「転職とか考えないの?」
「はい、もう十年くらい考え続けてたます。でもあと一年、あと一年って考えているうちに、いい歳になってしまいました」
「そうだよね。この仕事、誰かがやらなきゃならんけど、すくなくともキミの仕事じゃないよね」
「はい、大事な仕事という認識はあります。でも、親とか同級生には言ってません。嫁は知ってますけどね、笑」
「不条理だ」
「安藤さん、そう思ってくれますか?」
「あたり前だろ!ワシが上司に掛け合う。案内せい」
「お気持ち嬉しいです。でも多分無理です。もう11年間も言い続けて来ましたから」
「そうか〜。じゃあ転職かね?」
「子供が就学するまでにはと考えていますが、この会社で積んだキャリアは自販機への飲料納入だけですからね。年齢も中途半端。収入は確実に落ちる。毎日毎日、将来のことばかり考えていますよ」

私たちが毎日のように無邪気飲む一本の缶コーシーに秘められたアナザストーリー。

その後、悩める青年は私の前から忽然と姿を消した。それ以来、彼は消息不明となった。
(本当は私が辞めただけで、忽然と姿を消したのは私の方であった)

私が辞めた理由は生命の危機を感じたからです。
建物内の配達は問題ないのですが、怖いのは路上販売機。
あれは三田界隈、二の橋辺りの交通量の激しい片側一車線。

ちゃんが自販機に飲料を入れる手伝いで、カゴに入れた飲料を持っていると、自分の背中をかすめるように大型トラックがビュンビュン走る。

こら命懸けだわ、と思った刹那、4トン車の出っ張ったミラーがコツンと私の後頭部に接触。

コツンだから、怪我もなく、4トン車は何事もなくひき逃げ(当て逃げ)ですが、運ちゃんも、気にすることなく、作業を続け、また次の現場へ。

あそこで轢き殺されたら保険(補償)はどうなるのか、刹那に考えました。

日給8000円の命懸けの体験を活かす手段を見つけました。

よし、中国で自販機を広めよう・・・、と真剣に考えたことがあります。

ビジネスパートナーの丁さんに提案しました。「爆発的に売れるぞ〜」と。
「いや、安藤さん無理です。中国、ドロボウいっぱいいますから」
「丁さん、日本の自販機はセキュリティは万全です。簡単に盗めませんよ」
「安藤さん、そうじゃないです。中国のドロボウはね、トラックで来て、自販機ごと盗んじゃいますから」
「・・・」

本日もついてる 感謝してます。
されど缶コーシー、されど飲み過ぎに注意。
安城北朝鮮中学の同級生S川は医療品のトラック運転手をしています。

日にPOKKAの甘い缶コーシーを20本飲む中毒患者です。でも血液異常はありません。

皆さんは真似しないように。

写真は昨日の朝昼夕食です。

本日も健やかな1日をお過ごしください。
もしも、ア◯ヒ飲料の配達員を見かけたら、その後ろ姿に「頑張れよ」とココロでエールを贈ってあげてくださいい。

さもすれば、あの日の青年かも知れません。