1027 夢あわせ
「いかさまにも末たのもしき事にこそと夢合わせし給ひて」(源平盛衰記)
平清盛の栄華を中心に源平の興亡盛衰を精細に叙述した全48巻中、15巻に登場する、夢を合わせて吉凶を占ったという挿話。
鎌倉時代の人も夢を見て、夢占いに昂じていた。
この朝は珍しいことが起こった。
人影もまばらな名鉄知立駅のホームで汽車を待つ菅原文太さんを見た。
皮ジャン羽織って、ただただカッコよかった。なんだか幸せな気分になった。
その後、トイレに起きて余韻に浸った。
二度寝した。
友人と自転車に乗った僕は、名鉄新安城駅のロータリーにさしかかった。すると今度は、高倉健さんが、国鉄安城行きのバスを待っていた。そばにはバスを待つおばあさんがひとりいて、僕は自転車を止め「あっ、健さんだ」と心で叫んだ。ここも人影がまばら。僕の他には、小さな子供を連れた見知らぬ奥さんがひとり、やはり健さんに気付いていた。僕の友人は気付いていない。僕が健さんに会釈すると、健さんも会釈で返してくれた。
なんだか、とても幸せな気持ちになった。
一旦、その場を離れて、振り返ると、健さんはまだバスを待っていた。
どんよりとした夕方。
僕は引き返して「実はさっき、知立駅で菅原文太さんを見かけました。そしたら、こんなところで高倉さんにお目にかかれて。すごくうれしい気分になりました。ありがとうございます」と伝えようと決めた。何度もセリフを繰り返し暗唱した。勇気をふりしぼり、よし行くぞ、とペダルを踏んだ時、眼が覚めた。
教訓めいた言葉がいくつも浮かんでは消えた。
曰く「時間という概念を持ち続けろ」
曰く「睡眠という心身の休養を怠るな」
曰く「男は逃げるな女から、絶対に」
あと二つ、素敵な教訓をいただいたが忘れてもうた・・・。
5月8日、今朝も宇宙の光が降り注ぎ、銀河たちと繋がっている。