2797 笹塚悲哀
10/13-17
たぶん、ですけど、京王線笹塚高架下にある個人経営のコンビニ「サ○スマイル」、閉店の勢いです。
この店は特殊なコンビニで期限切れ寸前のワケあり商品を、定価の半額近くで売る、貧困層の私の御用達店。
私の利用頻度最多の食品店。
昨日、行ったら、棚の商品がすかすかガラガラ。
冷凍食品ようの冷凍庫には商品ゼロ。異常な光景。
従業員がコロコロ変わるので有名な店だが、それは消費者に関係のないことで気にしないが、本当に無くなるとマジに困る。
笹塚は「10号通り商店街」「観音通り商店街」「北五商店街」と3つの商店街が渋谷区と世田谷区が連携し、しかも一本の道で繋がる都内でも珍しい商店街天国。
しかし、それも今は昔。悲しいかな過去形になりつつある。
我が家から笹塚駅まで、北五(世田谷区)と観音通り(渋谷区)を抜けます。
ざっと思い出しただけで、中華3軒、日本蕎麦1軒、八百屋2軒、肉屋1軒、魚屋1軒、おもちゃ屋1軒、銭湯1軒、寿司屋1軒、定食屋1軒、薬屋1軒、畳屋1軒、内科1軒、古本屋1軒、コンビニ(ampm)1軒、昔ながらのパン屋1軒、総合食料品店1軒、居酒屋数件、和菓子屋1軒、総菜屋3軒、電気店2軒、不動産屋2軒、この21年間で、私の記憶にあるだけで、これらの店が全て廃業です。
栄枯盛衰。
子供の数も激減し、1号2号ちゃんが通った北沢小は、いよいよ下北沢地区3校の学校と統廃合が決まり、現在新しい校舎を建設中。
笹塚は新宿まで一駅、渋谷、中野までバスで一本という超便利な立地でこのありさま。廃業した店は全てが全て、個人経営店。
なんとか経営を維持している奇跡の店の条件は、家賃が発生しない持ち家であること、人件費が発生しない家族経営であることのみ。かなり絞られる。
跡地には何故だか美容院と歯医者ばかり入る。
主な廃業の理由は、経営者の高齢化だけど、個人経営店の衰退廃業は日本の縮図。
金太郎飴的、大手の進出で、自然死もしくは過労死の状況。
その大手もやがてはネット販売、ドローン配達で同じ悲哀を辿ることになる。
利便や価格への追求過度で、失うものの大きさを今一度、見つめ直すことはもはや不可能だろう、時代の流れ。
21年前、この商店街が気に入り、これだけあれば毎日、駅への道程が楽しいだろうと思い、背伸びして莫大な借金を抱えて建てた自宅。
あ、そういえば我が家も自宅で骨董屋を営み、消えた店のひとつだった。
一番先に消えたのは、あの昔ながらの中華そばを280円で提供してくれた「東北」(とんぺい)さん。
70円増しのチャーシュー代が払えず、ショッカー様がポケットから取り出したラップに包んだハムをそっと入れてくれたことが懐かしい。
21年前、21年後がこんなになるとは全く想像できませんでした、先見の明の完全欠如。
嗚呼、これから20年後、いや、5年後でいいや、どうなるのか、やはり全く想像できません。