3009 隣室のじいちゃん
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廊下に複数の子供の声がする。同じ病室のアニキには家族らしい見舞客が・・・。
いつもより、ほんのわずかだがざわめく空気、病院の日曜日。
いつも気になっていた隣の病室のおじいさん。
個室だからきっとブルジョアさま。
のぞき窓から姿が見え、いつも通りすがりに様子を伺っていた。
ベッドを半身だけ起こされ、またたきをしない瞳で一点を見つめている。
でも、大半は目を閉じて寝ているか、もしくは死んでいた。
見舞客も家族も来た形跡は一度もない。
個室だからきっとお金はある。
ざわつく日曜日。
おじいちゃん、どうしているのかな?
のぞいて見た。
もう、姿はなくなっていた。
召されたのかな?
お金も大切だけど、健康第一。