4809 幸せの放棄
2/19/19
「世の中にはいろんな奴がおる!」ってあんまき高校から銀行員になったF橋が言っとったけど、ホンマですわ。
トイメンの白血病おじさん、早く帰りたい、メシがまずい〜て毎日毎日呪文唱えていたけど、どうせ家に帰っても何もないぞ。しかもすっ転んで出血したら血は止まらんのよ。
お隣の内臓チューブ出血おじさんは胃がないからメシのことは言わないけど、早く帰りたい組。高円寺陸橋付近に住んでるからバスで二停留所、徒歩で5〜6分なのに、10時13分のバスに乗りたいって10分おきに来るバスの時刻表とにらめっこ。チューブ外さないと帰れまへんで。
二人とも変わっとる。
ここに居ればさ、冷暖房完備、若い女の子が3度の食事の上げ膳据え膳、トイレに行けば尻洗浄器とトイパーも完備されとる。風呂にも入れるし、今日なんかベッドのシーツも換えてくれた。腹が痛いといえば正露丸、背中が痒ければムヒ、大概の薬は揃っとる。欲しいものはメルカリでなんでも買えるし、安い茶葉だけど、食事前には女給さんが淹れてくれる。どこの世界に老いぼれに茶を淹れてくれる家庭があると言うのか。
何故、こんな幸せを自ら放棄するのか、わけわかりません。もうママのパイパイが恋しい歳でもあるまいに。
本日も、ついてる、感謝してます。