少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

1342 小田原紀行6

と、そんなわけで、僕の約6時間の小田原紀行は、いよいよクライマックスを迎える。小田原駅で新宿までの終電をチェック、11時までは大丈夫だ。仮りに帰りそびれたとして、誰が待っているというわけではない、気ままなひとり暮らし。金魚のエサはあげてきたし、犬、猫が居ないのは、こういう時に気を遣わなくて済む。偶発的な、あるいはビジネス的な「Fall in Love」に遭遇した暁には、旅籠に飛び込み、小田原評定で籠城作戦を決行した北条軍側につくか、あるいは兵糧攻めを決行した豊臣軍につくか、決断を迫られた伊達政宗の心境で一夜をやわ肌と過ごすのもまた善し。
そんな下心を存分に秘め、4足分の靴の大袋をぶら下げて、やけに短い繁華街を歩く。「ただいまのお時間でしたら込み込みで8000円でようがす」と紳士的な呼び込みが耳打ちするも、心は動かない。夜の師匠、ドラゴン斉藤さんなら、こういう場合、どうするのだろうか・・・と考えてみる。
そうか、わかった、ドラゴン斉藤さんは、その道のエキスパートだから、「飛び込み」というリスクは決しておかさない。事前に、日刊ゲンダイの、特に「なめダルマ親方」情報を駆使してピンポイントで攻めるのだろう。となれば、今夜の政宗は情報不足。敵を知らねば、戦には勝てぬ。一旦、会津の黒川城に戻り、顔を洗って出直してくるとしよう、馬引けええ〜。
結局、どこの港にも寄港することなく小田急ロマンスカーあしがら号にて帰る。町田までの特急券600円と下北沢までの乗車券800円で都合1400円。もう登り電車には乗客はおらず、4人席を独り占め。NYに行く際は、せめてこれくらいのスペースが欲しい。人間の欲望と贅沢は常に進化する。
初秋の旅は終焉に近づく。車窓の街灯りは民家から駅前の飲食店の赤系ネオンサインに。そして僕はポケットから子猫を取り出し、車窓の淵に置いてみる。

山一蒲鉾店に寄る前、隣の店(何の店だかわからない。乾物系の問屋さんみたいなかんじ)の軒先に、小物が煩雑に並べらていた。こういうジャンクを見ると、つい覗きたくなってしまう。買うつもりはないのだが、人の良さそうな旦那さんが接客してくれた。僕は家康の湯飲みと子猫を手に取り「おいくらですか?」と尋ねた。「どちらも100円です」と旦那さん。湯飲みはいらないし、猫もたくさん居るので、本当は要らないのだが、「どちらも最後のひとつですよ」と旦那さんが言うので、ポケットに入る猫の方を所望した。すると、旦那さん「お〜い」と奥にいた奥さんを呼ぶ。
奥さんがすっ飛んで来た。「おい、お前の、その猫、こちらのお客さんがお買い上げだ」と旦那さんが言う。すると奥さん「まあ、嬉しい。可愛いでしょこの子。でも、これ、最後のひとつですから、差し上げます。大切にしてくださる方に連れて行っていただけたら嬉しいですから・・・」。どうして僕が大切にすることを見抜かれてしまったのだろうか?想定外の展開に不意を突かれた。「えっ、いただけるのですか?。でしたら、そっちの家康さんの湯飲みを買わせていただきますね・・・」。こうして商談が成立。小田原紀行の土産までできた。

自宅に戻ると土産の子猫と家康を仲間たちがお迎えしてくれました。(迎えてくれたのはアンドウズコレクションの一部です)







み〜んな大切な我が子たちです。