301 五回裏無死・同点満塁本塁打
随分と昔から、僕は自分の人生をベースボールに重ねてきた。
球場はもちろんフランチャイズ(ホームグランド)の中日スタジアム。ビジターの甲子園でも後楽園でもない。相手はやっぱりV9時代の巨人。先発投手はもちろん星野仙一。目を閉じると、いつでも名古屋弁の野次、ビールの匂い、狭くて汚いスタンド、剥げた外野の芝生、売り子のコーラの瓶が箱の中でガチャガチャ当たる音、レフトスタンドの隙間を走る新幹線、手書きのスコアボード、応援団の笛と太鼓、興奮と熱気が今でもナマナマしく僕の脳裏に甦る。
きょう8月29日で私の50歳(ボブ・ホーナー)が終わり、明日30日から51歳(イチロー・スズキ)になる。2−6と4点ビハインドで迎えた五回裏、伝説の大リーガー、ウイリー・デービスの同点満塁ランニングホームランが飛び出した。
このど不況の中、先発・星野が巨人打線にメッタ打ちされ、それでも意地とプライドで交代が許されず、自分を見失いかけていたところで、デービスの起死回生の一発。僕の人生は今、五回裏の攻撃がはじまったところです。
もともと攻撃型のチームなので守りは弱くエラーの連続。失点には目をつぶり、とにかく攻める野球(人生)を目指しています。10点取られても、最後に11点取ればいいというスタイル。
あと予定(イメージ=予想)としては、九回(90歳)まで行っても決着がつかず、恐らく延長10回(100歳)まで続けるのでしょう。勝敗は読めません。負けるつもりはありませんが、勝負は時の運。武運強運を信じて、凡打でも全力疾走するのみです。見逃し三振だけは絶対にしない。まあ7回(70歳)コールドゲームだけにはならんように、頑張らないと(笑)。
「人生は必ず思うようになる」毎日そう思って生きています。そして恋愛と受験以外はだいたいそうなってきました。
本日朝4時起床。新横浜で「霊波の光」にお礼の参拝。その後、新幹線で小田原へ。久々に老舗蒲鉾店「山一」の主人を尋ね、雑談。「安藤くん、中国で蒲鉾屋やるなら、俺が行って教えてやるよ」と72歳の主人は相変わらずの巨体で迎えてくれた。前日は箱根で全国から600人もの青年会議所のメンバーが集結し決起集会を開いたとか。その総合司会を務めたのが山一の主人で、地元で知らない人はいない有名人。例により高級蒲鉾を何本かいただき、車で小田原駅まで送ってもらう。
新幹線で1900円も使ったので帰りは小田急の特急券890円をケチり、普通電車で下北沢まで。
久しぶりに下北を歩いたけど、昔ながらの個人経営の店舗がことごとく撤退を余儀なくされ、携帯屋だとかレンタル屋だとか、なにもここじゃなくてもええだろうという店がエラそうにバカ面ぶらさげて並んでいる。坂の途中の小さな雑貨屋の軒先でスタイリストというお姉さん2人がフリマをしていたので、雑誌の撮影に使っただけという女性服を少しばかり買う。
帰宅してチャンネルをひねると24時間テレビで、障害を背負う小さな子たちが、自分のたてた目標に向かって黙々と戦っている。己の姿と重ねて「お前、恥ずかしくないかい?」と自分に問いかける。答えは言えない、恥ずかしくて。
まだまだ、まだまだだ。