少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

320  意気消沈2

こんな時はブログも書きたくない。時間はたっぷりあるのだが、意気が消沈してるから気分が乗らない、当たり前か・・・。
不安なんだろうな、普段は誰かといるよりひとりの方が気楽でいいなんて思っているけど、きょうは誰かにいてほしい。できれば、そりゃオナゴの方がええ。身勝手さの極み。
誰か相手してくれる子いないかな、携帯のアドレスを眺めては、適当にメールを送ってみたりする。それもひとりかふたり。あいさつのやり取りで終了、虚しいだけ。
困ったときにいつもお願いする「霊波の光」のスミちゃんに国際電話を入れる。立川の老舗寿司屋の娘で24年の付き合い。
「安藤君まったくぜんぜん何も心配しなくていい。神様がすべて守ってくれている。とにかくあなたは心ひとつを立て直しなさい」。「心ひとつを立て直すってどういうこと?」。「だから心ひとつを立て直すのよ」。頭では理解できないのだが、僕の身体は理解しているようだ。この神様に何度助けられたことか・・・。
午後2時過ぎ、ようやく3本目の点滴が外され自由の身になった。先々日、39・4℃の僕を人民病院に連れて行ってくれたMちゃんから電話があった。「安藤さん、大丈夫、ご飯食べた、何が食べたい、私持っていってあげるよ、部屋どこ?」もう半分泣きそうです。
もちろん女の子。この僕と彼女の間柄を書く技術を残念ながら僕はまだ持ち合わせていません。
彼女は裕福な家柄で僕の住む祈福新村の高層マンションの30階に部屋を持ち、海鮮問屋を経営しているお父さんは珠海に分譲マンションを持っている。一族は華僑でプライベートビーチも所有しているという。僕はここでは書けない体験も彼女にっせてもらった。
僕は出前でもとるから祈福新村内にある明大の先輩・八高さんの経営するレストランの電話番号を聞いてきて、と彼女にお願いした。
そして彼女は電話番号のメモと花束を抱えてきてくれた。
きょうは拾得さんがいるからいいものの、もしMちゃんが僕ひとりの個室に訪ねてきたらどうなるのか?ああ、想像しただけでヤバいぜ。
成り行きまかせに身を投じようものなら、明日の朝にも珠海湾から澳門(マカオ)港に流れ着いた身元不明の男性遺体が・・・ということにも。まあ、少し大げさですけど、そんな感じ。あまりにも汚れを知らないというか、恐らく僕が頼めば、たいがいのことはしてくれる。しかし、そんな行為に対して、僕が返してあげられるものがあまりにも小さくて・・・という関係。
僕は病院のロビーで彼女の花束を受け取り拾得さんと3人で歓談した。
部屋に戻り、拾得さんが空のペットボトルをカッタ―で半分に切り、花瓶を作ってくれた。「その花、なんていう花ですか?」
「百合とトルコ桔梗(キキョウ)」
百合くらい僕でもわかるけどトルコ桔梗なんて知らんかった。この人は本当に何でもよく知っている。紫の桔梗の中で薄紅の百合たちが静かに蕾を開こうとしている。(つづく)