少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

711 消防車を被災地に2

そのお父さんは現在、現地の消防団の受け入れ態勢と、K町消防団の意志統一の両方に奔走している。
そのジレンマを吐露してくれた。「現地の消防団にとって、我々の訪問は有りがたいことなのだろうか?いや、決して有りがたいことではないみたいだ。頑張っている人たちに、頑張れという激励をしに行くわけでもないのだし」。一方でK町消防団の若い隊員からも「どうせ行くなら、たとえわずかな時間でも瓦礫の撤去とか手伝うべきだ」と言う声も上がる。
「本当はそうしたいし、そうするべきだが、今回は時間の余裕がない。消防団として組織で行く以上は個々が勝手な行動に走ってもらっては困る」とお父さん。苦悩の表情だ。
「地元の消防団長に、今何が一番必要ですか?と尋ねたら、消防車と言われました」とお父さん。「だったら、消防車を寄付されたらいかがですか」が僕は口火を切った。
「そりゃ、そうしたいけど、なんせ20数名の小さな団ですから、それはちょっとねえ」とお父さん。
「ほら、そういう姿勢がもうダメなんだよ」と息子のK君が僕の代わりに突っ込んでくれた。
「そうですよ、お父さん、K君の言う通り、何も20人の団員さんだけでやらなくてもいいじゃないですか。消防車がいくらするのか知らないけど、ひとり10000円ずつカンパして、それを1000人集めれば1000万円でしょ。ひとり10000円が難しいなら1000円を1万人集めましょうよ」と僕。「いやしかしねえ・・・自分は自分でやれる範囲のことしかねえ」とまだまだ弱気のお父さん。
「なんなら影響力のある人を使いましょう。例えば石巻出身の中村雅俊さん。今すぐ連絡してみましょうか」
行動力の速さが僕の武器。中村雅俊さんとは直接の知り合いではないが、ある知人を介せば、きっと連絡が取れる。だからハッタリではない。
あと消防車の値段がまるでわからない。僕は豊明市のK久根モーターズにメールした。すると速攻でレスが来た。
「今、官公庁のオークションで5台出ています。消防ポンプ付きで10万円スタートです」
な、なに10万円?それなら、か、買える。もちろんいろんな制約があり、機材を搭載したりメンテナンスをしたら当然10万ではすまないだろう。ただ、当初、あてずっぽうに言った1000万より、はるかに現実に近づいたと思う。
消防車のない消防団ではその任務も果たせまい。心苦しいに違いない。盲点ではあるが、消防車、救急車は人命に直結する大切なアイテム。それが不足しているなら、何がなんでもなんとかせねば。国に任せていたら、いつになるかわからない。永遠の会議と、山のようなハンコが必要で、その間に火事が多発して、事故や病気で助かるはずの人々が死ぬ。
行政の無力を最早、否定する人はおるまい。
僕を含め、ひとりひとりは小さいけれど、明日は我が身、なんとか消防車、救急車の一台でもいいから、必要としている被災地に届けたいと切に思う。