903 2000回のありがとう2
以前にも書いた末期癌の彼女。実は来月が余命宣告を受けた最後の月、二月。下北沢で商売をしてたころ、あまりにも家賃が高く、二月は28日しかなく他の月より一割少ないんだから一割家賃を下げてくれ、と懇願したことがあるが、敵もさるもの「その分31日の月もあるが、割増ししてないからチャラだ」と言われギャフン。しかし、今年は閏(うるう)年で二月は29日。そんな、わずか一日のおまけでも人によっては愛おしい。
医学に見放された患者でも、奇跡は巷で起きている。その一つのきっかけが、たとえば「宗教」であることはよくある話。ようやくその彼女を野田にある「霊波之光」教会へお連れすることができた。
入信されるかどうかは彼女の判断にゆだねるとして、僕はここで数多の奇跡を実際に見聞きし、自分も体験した。僕の役目は正確な情報を伝えるだけ。なにしろ命にかかわっている。
T班長も仕事を休み、別の信者さんから車を借りて駆け付けてくださった。「苦しいときに、自分も助けていただいたので、今度は自分がお手伝いする番です」と誰もが異口同音に言ってくださる。
ただ、その彼女、とても余命一か月の癌患者とは思えないくらい、見た目は元気だ。来週は大阪での高校時代のクラス会にも出席するという。
「どうして、そんなにお元気なのですか?」とTさんが問うた。
すると彼女が答えた。「私、病気になって、すべてのことに感謝するようになったんです。だから、毎日、2000回のありがとうを口に出して言うんです」
「2000回?」僕とTさんが同時に口にした。
「そう、2000回、毎日。今、それをしないと気持ち悪くて眠れないの」と彼女。どうやったら2000回もできるのか聞いてみた。
「たとえば今日なら、安藤さんとTさんに私のためにこんなんしてくれてありがとう・・・って口に出して、それぞれ100回くらい言うんです。それを20個やれば2000回でしょ。毎日寝る前に一時間くらいやってます」
凄いなあ・・・。そんに続けられるものじゃない。冷静に考えても、人は感謝より不満を口にする方が多い生き物だから。
でも、「ありがとう」という言葉の持つ奇跡は科学的にも解明されつつある。例えば植物や髪の毛に「ありがとう」と声をかけると成長が早くなるとか、水に「ありがとう」と声を掛けると結晶が綺麗になるとか、多くの実験でその効果は実証されている。
彼女は癌と闘う自身の免疫力にも「きょうも闘ってくれてありがとう」と100回唱えるそうだ。やっぱり凄い。僕も真似してみよう。
追伸・・・本日の大浦郁代さんの「mikutyanの日記」にも、彼女が最後に口にしたかった言葉、それは「ありがとう」という内容が書かれています。そして、釈然としない病院の実態も。社会問題のひとつとして、皆様にも知っておいていただきたいので、ぜひご拝読してください。