1399 突発性難聴3
体調不良と断続的な激しい耳鳴り・・・。ところが、痛い痒いがない。
実はこれが、この病気が曲者だと言われる所以なのです。
耳鳴りは断続的でした。ガンガン来たかと思うと、いつの間にか消えて・・・の繰り返しでした。
激しいめまいでぶっ倒れたのが土曜日の深夜零時ごろ。翌、日曜日に体調不良ながら、宗教の布教活動に参加。ゆっくり休養して迎えた月曜日。
火曜日から木曜日まで、耳鳴りの間隔が継続的になり、とても気になり出す。金曜日に、我慢の限界が来て、その時にはすでに鳴りっぱなし。
知り合いのDr・Mに電話を入れ、「じゃあ、月曜日に来てください。耳鼻科に予約入れておきますから・・・」とのこと。痛くも痒くもないから、月曜日まで待つ。実は、これも悪化の原因でした。
検査の結果「右耳突発性難聴」。両目を閉じて片足で30秒ほど立つと、なんと自分の身体が反転、180度も違う向きになっていました。つまり三半規管をやられ、それが原因でめまいでぶっ倒れたというわけです。
担当医官が言うには「発症して、すでに一週間以上が経過しているので、根治は難しいです。発病してから2日以内ならなんとかなりましたけど、3日を過ぎると、治る確率は半分くらいになって、4日を過ぎると、厳しいです。ですから、これからする治療は、さらにひどくならないように、現状を維持するためのものです。元通りになることはない、と思ってください」と。
「ええ?そうなんですか?」
こんな状態が、これからずっと続いたんじゃ、たまったもんじゃない。「何とかなりませんか?」
「う〜ん、とりあえず、ステロイドの投与が有効的と言われているので、やってみますが、良くなるという保証はありません。それでもやってみますか?」
それでもやってみますか?ってアンタ、かなり投げ遣りな問いかけだけど、やらんよりはマシだろ・・・。
「ああ、お任せしますので、お願いいたします」
というわけで、三宿軍人病院に2週間入院してステロイドの点滴投与。
「どうですか?」と2週間、毎日、聞かれましたが、まったく変わりません。
「これから、どうなるのですか?」という僕の問いかけに、医官は「慣れるしかありませんね・・・」と一言。
この絶望感はスガさんや、あゆさんや、カシマシさんら、ミュージシャンにとっては、僕が受けたそれより、遥かに衝撃的だったに違いない。商売道具の大切な一部に再生不能の重大欠陥が出来てしまったのだ。
(つづく)