少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

614 ps中国6

北京ダッグのあと、僕、S店長、N料理長の3人はタクシーに乗り、件のAYちゃんの店に行った。
「女はいらない、マイクと少しの酒だけあれば・・・」と言って少し値切り、閉店間近にすべり込み、ほんの1時間だけ熱唱した。歌は唄わないと思っていたN料理長が唄ったのには驚いた。AYちゃんとのランデブーは1時間ちょっと。最後に会えてよかったが、縁があれば、また会えるだろう。
僕らは、また河岸を代え、ビールを飲んだ。よく冷えていたが、実に苦い思いで飲んだ、泪のビアだった。ちっくしょー面白くねえ・・・。
僕らは中国での必ずの成功を誓い、ビアのおかわりをたのんだ。
翌朝8時30分、S店長から電話が鳴った。モーニングコールかと思いきや、そうではない。「安藤さん、すみません。今、王さんから電話が入って、安藤さんに会いたいと言っています、どうしますか?」
僕は時間を30分前倒しにして、3人で王さんを待った。しかし、のんびり家の彼は待てども来ない。そしてやっと来た。
「安藤さん、私、きのうと考え変えました。大家さん、やっぱり約束破るつもりです。私そう思います」
「それはどうして?」
「大家さん、書類にサインしない。それはおかしいことです」
「それはずっと前から、我々はそう言っていますよね」
「そです。でも私、大家さん信じてた。ああ、でも、私、騙されるかも知れません。どうします、安藤さん」
「どうします、って言われてもねえ。とにかく、そうなったら、すぐに弁護士に連絡してください。今はそれしかない」
「ああ、そうなったら、私すぐ裁判所に行きます」
人のいい王さんは、ようやく事態に気付いたようだが、あまりにも遅すぎる。僕ら3人は、あるていど想定内だったので、緊急なニュースではない。それより飛行機に遅れそうだ。僕は王さんに「あなただけが頼りだからよろしくお願いします」と心にもないことを言って、みんなに別れを告げた。
S店長が言っていた「どういう基準かわからないけど、上海で厳選された4000人のドライバーが運転する」という万博タクシーを運よくつかまえ、上海浦東空港へと向かう。4000人の厳選されたドライバーさんは確かに安全運転だったが、大韓航空に乗る僕を、まったく違うターミナルで降ろそうとした。で、結局彼は、それがどこにあるのかわからず、車を停めて空港案内所で道を尋ねるはめになった。彼は、厳選された4000人のドライバーさんだ。大韓航空の乗り場を知らなかったが、親切な人だった。どういう基準で選ばれたのだろう。彼は厳選された4000人のドライバーのひとりだ。(おわり)