1243 巨人愚論1
前読売巨人軍、取締役球団代表兼編成本部長兼GMの「清武英利」著、「巨魁」(ワック株式会社)を遅ればせながら拝読した。
野村克也監督の「エースの品格」(小学館)と併読していると、主張が重なる部分が多々あり、非常に面白かった。
タイトルの巨魁を辞書でひも解くと「盗賊などの首領、かしら」とある。いわずとしれた悪の根源、ナベツネこと読売グループの巨魁・渡邉恒雄のことだ。
本書では初頭に渡邉の悪事を。文末には原辰徳との編成方針を巡る軋轢が書かれているが、中盤のほとんどは育成選手の必要性を訴える内容で、本論から離れてしまい、それはそれで興味ある話だが、別物として扱って欲しかった。
どうでもええ人はともかく、巨人ファンを自称する人、プロ野球ファンには読んでいただきたい。
私はこの項で読売の「愚」を訴えるとともに、プロ野球の球団経営にも触れてみたいと思う。
明治大学商学部商学科の卒業論文では「球団経営」について作成した。
願わくば、大好きな中日球団にもぐりこめないかしらんと目論んでのことでした。実に運よく、東京中日スポーツの採用となり、明治の先輩の星野仙一さんにも目をかけていただきました。
僕の場合、明治に入る前にアメリカ放浪などもしており、大学卒業時には26歳で、一般採用の対象外、つまりドラフト外入団選手だったのですが、東京新聞および東京中日スポーツの学生拡張団のリーダーも務めていたので、販売部からの強い後押しもありました。
清武氏の巨人のインサイドストーリーにはヤンキースやアスレチックスなどメジャー球団も登場し、最新の編成方式も参考になりましたが、僕が書いたのは、もう23年も前のことで、しかもプロ野球が全盛のころで、球団経営に全く努力せずとも、観客が勝手に球場に来る時代でした。(ただし、セ・リーグだけですけど)。
選手の年俸もまだ、銭ゲバ落合ですら1億になる前の段階で、日本ハムの選手がツギハギだらけのボロボロのユニフォームでオールスターに出ていた時代です。
このころ、各球団の経営状況は調べたのですが、親会社との深い関係までは調べませんでした。
今回の基礎知識として、親会社と球団の関係を次項で、まず知っていただこうと思います。
(つづく)