2065 横浜医療収容所3(生誕)
悪いことばかりではない・・・「ヨコハマたそがれブルーライト横浜総合病院」。
昨、01/31 午前11:47 先勝 晴天。
この日、総理は目撃してしまいました。生まれたばかりの名も知らぬ赤ん坊を。
通路を歩いていると、見知らぬ男女が、機械をデジカメとスマホで撮影している。総理もその機械がなんの機械だかわからなかったが、あまりにも熱心に撮影しているので、思わず覗いてみた。
最初はよくわからなかったのだが、よく見たら、そこには一匹の子猿が・・・。いや、失礼、赤ん坊が・・・。
ちっちゃい・・・。朝食のデザートに出た、やや大きめのみかんくらいか。なんか、むにょむにょ言いながら、薄ら笑っている。これなら、まだポケットに入るサイズ。犬も猫も赤ん坊も、生まれたてが一番かわいいと思うのだが、どうでしょうか?
担当の看護婦さんが「今からちょうど10分前です」と言った。
総理は、思わず携帯で時間をチェック。午前11:47だった。
一生懸命、撮影する男女に言った。
「おめでとうございます」
男女は赤ん坊のお父ちゃんと、ばあやに違いない。
生まれて10分後の赤ん坊を見たのは、生まれて初めての体験だった。
ただそれだけのことなのに、涙が出そうになった。
思い起こせば、1号ちゃんの時にも、2号ちゃんの時にも、間に合わなかった。その恨み辛みが現在に至っているのかも知れない。
先勝・・・暦注、六輝のひとつで、午前中は吉。室町時代からの日時刻の吉凶占い。ギリセーフの赤ん坊に幸多からんことを・・・
こんな感じの赤ちゃん・・・
総理の入所するフロアの横には分娩室があったのか。
病院は苦しむ人や亡くなる人のたまり場として、常に重い空気や、悲壮な空気が漂い、常人が長期に渡り、滞在する場所ではないが、唯一、産婦人科だけは、新しい生命の誕生の場として浄化されています。
少子高齢化の中、ようこそここへクッククック・・・おめでとう、ありがとう、こんにちは赤ちゃん、私が総理です。いんや、めでたい。
よし、今宵は名もなき君のために、お祝いのアーモンドでも喰らおうではないか!
おっと、もうすぐ消灯時間・・・