5/17-17 FB投稿
2日連続のデジャブ輪廻の転生。
一昨日は酒の海で溺死したペットフードのドストエフ岩崎が。
そして昨日は、富山県氷見市から、真冬の日本海へ、人生の長い漁に出たまま消息を絶った(実話)糸屋さんが、僕の枕元に現れました。
本当に今度こそ、渡ってはいけない河を越えた、と実感しました。
しかも朝食後のうたた寝の寝ぼけまなこ。
あれ?三輪くん?(安城北朝鮮中学の同僚広島在住) いや、バシ?(愛と誠の花園実業のモデルとなったカラコウこと烏山工業出身の生活保護長者)、エッ片山?(ゴルフ雑誌社長)。
さにあらず、なんと十数年間、音信を途絶えていた元骨董屋のパートナーの糸屋さん。
すごいよ、4人とも同じ顔なんだもん、誰だかわからんかった。
それにしても、ど、どうして?
「最近、FBで安藤さん見つけて、今会わないと一生逢えなくなってしまう。なんだか急にそんな気がして、矢も盾もたまらなくなって、富山からレンタカー飛ばして来たんです」
当時から、思い立ったら行動派、破天荒。
富山県氷見市の出身。花の東京さ出て、植木職人に。銀座プランタンの深夜作業に抜擢され、ショーのリハ中のホンモノのオードリー・ヘップバーンを見て興奮した二十代。
故郷富山で当時まだ市内に8台しかないテレホンカード専用の電話機時代に、テレカ作製会社を作り、町の愚か者と罵倒されたが、その後テレカが空前のブームになり億万長者に。
身内で固めた角界に外部から入り、千代の富士のテレカの版権をおよそ1000万円で買い、それが爆発的にヒット。高級外車5台をはべらし、一躍、氷見のトランプになるも、ブーム去就につき転落。
三十代。
再び無一文で上京。
有名俳優の運転手、ジャーマネ、ドラマのスチールカメラマン、拾い屋を経て、女骨董商はちやに弟子入り修業。
独立してフリーの骨董商になり、私の経営する代々木上原掘り出し倉庫ビリケンの店長になり、日本初の24時間戦う骨董屋を4年間やる。
その後、弟子入りした箱入り女骨董商見習いアテナとともに淡島通りにて独立オープン。
アテナは可愛い子で、禁断の師弟愛に進展、仕事を取るかオンナを取るか葛藤の末、迷うことなく愛を取るが、互いに純粋な愛ゆえ、ジェラシーだけがほとばしり、青春ドラマのすれ違い。
「あのとき 目の前で 思い切り泣けたなら 今ごろ 2人 ここで 骨董品を見ていたはず」
遠い目になった2人。
「化粧する君の その背中がとても 小さく見えて 仕方ないから 僕はまだ君を〜」
「 私のことアテナって呼び捨てにするの禁止!」
そう言って、雨の物語に消えたアテナ。
そして糸屋も氷見の海に消えた。
それ以来、糸屋の姿を見た者は、東京にいなくなった。
所詮、骨董品は流れもの。流れ流れて輪廻の転生、介在する人もまた流れて消える泡のよう。
氷見の港から人生の長い漁に出たという、港の老婆の目撃情報をNHK北陸が放映したのが20年前。
まさか生きていたとは。
そして、彼。
現在の仕事はなんと、
AKB48。 さしゆうからのなな推し。
ななからジジイの愛称で認知された日本海からの生還者。
ようやく、人生の長い漁を終え獲物を見つけました。