5084 彼女のエキス
12/16/19
間抜けなツラしてパフェ〜を食べているけど、世の中、そんなに甘いもんじゃない。
例えばこのパフェ〜のイチゴだけど、まさかこれがペラペラの紙のようなスライス苺だなんて、見た目ではわからない。
例えば、高校生のころ、目当てのあの子の家庭での風呂の順番がひどく気になっていた。
誰が先に入るのか?
自分としては彼女の家の野郎ども、つまり親父とか兄弟。こいつらに先に入って欲しかった。
何故なら、彼女が先に入れば、奴らは彼女のエキス、つまりあの子のダシ入りの湯に浸かることになり、それは自分としては許されないことだった。
しかし、今、我が家には女子大生2人、人妻1名が居住している。
今夜のようにクソ寒い夜。暖房なき地下室生活の私は湯船が恋しくなる。
地下から這い上がり、何度、風呂への階段を上がっても、誰かが入っている。そして昨日も一昨日も根負けして寝落ちした。
ガス代も水道代も電気代もすべてワシが払っているのだけど、これも人生の修行。
実は私はティファールを持っているので、いつも寝しまに白湯を飲んで、内臓を温めている。
内側から皮膚まで、なかなか暖まらいけど、去年、入院した時に叔父に見舞いにもらった電気毛布があるので、これで一冬越そうと思う。
あのころ、あの子の親父も今の自分と同じような夜を迎えていたのだろうか?