少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

602  どうなる「G」?7

翌3月4日。K会長がランチを食べに来た。その後、「G」の家主と家賃の値下げ交渉に挑んでもらう。家賃の値下げ交渉は3時間にも及んだ。しかし結論はこうだ。「きょうは、大家さんと会って雑談をしただけ。いい雰囲気だったよ。もっと安くしてくれ・・・って頼んでおいたから、あとはあんたたちで交渉して・・・」(会長)
「ん?・・・???。きょうは雑談だけ?あとは、あんたたちで・・・って、今、そう言いましたか?」
「そうだよ、なんか少しは安くしてくれるみたい。大丈夫大丈夫・・・って言ってたから」
「少し安く・・・ってあんた、16万元(約220万円)を10万元(約135万円)にしてもらう交渉なんですけど。その差85万円。僕らのような下っ端、使いっ走りとは交渉したくない、ボスを呼べボスを・・・と家主が言うから来てもらったんですけど・・・」
「だから来て、話しただろ・・・」
「話した・・・ってあんた、雑談でしょ」
「いや、向こうはそういう話はしたくない・・・って。そういう話なら自分の秘書にしてくれって言ってたよ」
「・・・・」
どう表現したら上手く伝わるだろうか?とにかく僕もS店長も、この3時間の会談に全てを賭け、固唾を飲んで待っていた。「肩すかし」そんな生易しい表現では追いつかない。膝から崩れ落ちる思いだった。
太平洋のど真ん中で難破した船上、ようやくSOSの無線が通じ、救助のヘリが到着した。船を修理すればまた動く。放置すれば沈没は確実。されど修理代が高くて払えない。修理代の交渉のため、はるばるやって来た交渉人が「雑談しといたから、あとは自分たちで適当にやっといて、じゃあね」と、再びパタパタとヘリで去って行く。傾いたデッキの上から「嗚呼・・・」と僕らはそれを見送る。ヘリはどんどん小さくなり、ヘリから見える僕らの姿は、やがて米粒大になり雲に消させる。そんな姿を、どうか笑いながら想像してください。
その夜は酒宴となった。「G」の3階にあるバ―で酒を飲み、昔話に大いに笑った。会長の息子で上海の超一流大学(复旦大学)に通う19歳の息子も可愛いガールフレンドなんか連れてきて、みんなで飲んだ。
酒宴は深夜まで続き、みんなが引き揚げたあとも、僕とS店長、N料理長は明け方まで、話込んだ。「どうする?」と。
翌5日。この日の夕方にはK会長は上海甫東空港から帰国する。その合間を縫って、日本人が集まるショッピングモール内にあるフードコートと、一杯13元(約170円)の本格的とんこつラーメンを食べさせる日本人経営の繁盛ラーメン店へ案内した。
繁盛店には儲かるカラクリがある。とにかく安いことは大きな魅力だ。つまり家賃と仕入れ価格がそのカラクリの大半だが、それが人脈と直結する。安くて美味しくて量が多ければ、誰もが行く。なんとも単純明快な話ではないか。
残念ながら「G」にはそれがない。圧倒的にない。(つづく)