少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

221  携帯電話紛失記

ビジネスマンとして、絶対にやってはならないことを、僕はやってしまいました。
携帯電話を失くしてしまいました。
それも自分の不注意で・・・。
顛末はこうです、広州に来て3日目の5月23日のこと。ビジネスパートナーのひとり、韓国人の金さんに韓国料理店での夜会食に誘われました。金さんはネットチェアの製造会社の経営者で、僕は彼の会社の製品の日本での販売を委託されています。フルコミッション制契約なので、まだ、お互いに利益は得ていません。この夜は彼の会社の中国人工場長と他に韓国人、中国人が各一人の合計5人。チゲ鍋を囲んで、中国語、韓国語、日本語が飛び交う異様な座敷席となりました。
会食後、僕は次の予定があり、タクシーで5分くらいのところに移動しなければなりません。歩いていける距離でしたが、暑いし、約束の時間に遅れたくなかったのでタクシーを待ちましたが、つかまりません。そこで、仕方なくバイクタクシーを拾いました。
これは非常に便利ですが危険極まりない乗り物で、例え近距離でも、絶対に乗ってはいけないと、日本の企業の駐在員なら誰でも会社から禁止が通達されている乗り物です。で、僕はそれに乗りました。そして、たぶん、その時にズボンのポケットから落ちてしまったのでしょう、僕の携帯電話。
すぐに、次の店で気が付き、先ほどの韓国料理店に電話を入れましたが「没有(メイヨ〜=有りません)」とのこと。すぐに来た道を戻るという選択肢もありましたが、この人口の中、もし落としたとしたら、30秒も無事であるはずが、ありません。かすかな期待は部屋に忘れてきた・・・ということだけ。2軒目の店で、僕は平静を装いましたが、実は携帯のことで頭がいっぱいで抜け殻状態でした。
僕はまず、滅多に物を失くしたり壊したりしません。何でも大切に扱う主義なので(家の中で置き場所を忘れることはしょっちゅうですが)基本的に物の寿命が来るまで、僕の傍にいるのです。外出する際に携帯を家に置き忘れるなどという失態もありません。いや、たった一度だけありました。5月20日、件の中国人の団体を老人福祉施設に案内する際、僕は初めて携帯電話を家に忘れて外出してしまいました。お互いに指定の待ち合わせ場所に時間通り着いたので事無きを得ましたが、僕はそんな自分自身に大きなショックを受けました。
ただ、そんな事件があったので、今回ももしかしたら部屋に置き忘れたのでは・・・というかすかな期待があったのです。しかし、その期待は虚しく終わり、僕は途方に暮れたのです。
翌朝、なんとか中国の携帯電話から日本の母親に電話がつながり、携帯会社に連絡を入れてもらい接続を中止してもらいました。80歳の母親にはauだとかdocomoだとか意味不明の言葉で迷惑をかけてしまい申し訳けなく思っています。
帰国すれば、2年前の機種変更の際にバックアップしたデータは残っているので、この2年間で変更のない方の分は回復できるはずです。この2年間で新たに出会った方も名刺をいただいた方の分は一枚も漏らさずホルダーしてあるので問題ありません。ただ、問題は名刺もない人の分ですね。僕の携帯には700人を超える人と企業やお店のデータが入っていますので、悪用されないことを願うばかりです。
たまたま現在は重傷の待機患者さんが居ないので、緊急電話は入りませんが、待機患者さんがいる場合、僕の携帯はある意味「命の電話」なので、それを不注意で失くした僕は「切腹」ものです。
アメリカから大事なビジネスの電話が来ることになっているのですが、今はそのことばかり気になって仕方ありません。心神喪失状態とでもいうのでしょうか、携帯電話の紛失によるダメージがこれほど大きいとは思いませんでした。