410 屋上のキャンディーズ
11月11日(木曜日・開店2日目)午後に時計を戻します。
この日は知立高校の同級生の古久根くんが懐かしい顔を連れてきてくれました。野球部の同僚の吉田くんです。
実は僕、野球は中学で卒業し、高校からはW大のラグビー部を視野に入れてラグビーをはじめたのですが、安城北中学の野球部は愛知県内で敵無しでした。そのため、安城北中の野球部だった僕は入学時から野球部に熱心な勧誘を受け続けました。
中でも熱心に誘ってくれたのが同学年の吉田でした。で、一年間、ラグビーをやって身長が伸び、身体も引き締まったので2年からラグビーと掛け持ちで野球部に所属しました。だから吉田とは野球部のチームメイトでもあるわけです。
吉田とは同級会で会うだけで、卒業後は個人的に会ったことはないのですが、聞けば無類の珈琲好きで喫茶店をハシゴして味比べまでするそうです。まったく有難いヤツを連れてきてくれたもんです。まあ、そっちはM店長とチャコにレクチャーしてもらうとしましょう。
しばらくすると、明治大の先輩であり、東京中日スポーツの先輩記者でもある宮脇さん(現中日スポーツデスク)が祝い金を持って遊びに来てくれました。野球好きの吉田と宮脇さんは意気投合し、しばらく「ビリケン」で歓談後、陽も暮れてきたので、んじゃ一杯行きますか、ということになり、古久根くんの車で池浦町の居酒屋へ。
そこで一時間ほど飲み、今度は新安城の居酒屋「まゆりん」へ。ここは北部小学校の同級生のまゆみちゃんがやっている店。3人は焼酎で野球談議、ドラゴンズ談議、落合談議に夢中になる。すると話の途中で「突然だけど、俺、中学の時、安城のダイエーである芸能人を見に行ったことがある」と吉田が言いだした。
僕はすぐに反応した。「おい、みなまで言うな。それってキャンディーズだろ」
「ウオォォ〜〜〜、何でわかっただ〜???」とゴリラーマンみたいな顔をした吉田が雄たけびを上げた。
「何でわかった?って、だって俺見に行ったもん」と僕。
「うっそ〜〜、俺も見に行った」とゴリラーマン。
「うっそ〜〜」と僕。
「マジか」とゴリラーマン。
「小雨だっただら〜」と僕。
「そうそう雨が降っとった。何で知っとる?」とゴリラーマン。
「だから俺も見に行ったって言っただろ」と切れ気味に僕。
「ウオォォ〜〜マジかよ」ゴリラーマンが僕に抱きついてきた。(つづく)